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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 第四話「暴きタイッ!?」-32

「あたし、このままじゃ綾に追いつけないや」
「そんなこと……ありませんよ」
「だってさ、毎日牛乳飲んでもだめなんだもん」

 うふふと笑う彼女は少女を装い愛らしい。綾には無い魅力とでもいうそれに、紀夫
はムキになって反論したくなる。

「先輩、どうしてそんなこと! いいじゃないですか、先輩は可愛いし、それに…
…」
「それに?」
「足が速いし……」
「そんなの嬉しくない」

 ふうと鼻を抜ける音と一緒に美奈子は視線を外す。

「そんなの嬉しくないな……」
「でも、すごく……」
「いいよ。無理しなくて……」
「はい、すみません」

 言葉はいくらでもある。のに、彼女を励ますそれが見つからない。
 普段かじりついていた教科書、もしくは恋愛の指南書はそれを教えてくれはしな
い。

「ねえ」
「はい!」
「島本君はさ、平気なの?」
「何がです?」
「綾とエッチしちゃって……」
「平気って、病気とか?」
「そうじゃなくて、気持ちの上でよ……だって君、里美さんとも……」

 ――やっぱりそこに行くんだ……。

「俺は別に里美さんと付き合ってるわけじゃないですよ……」

 真実を告げるはずが、喉にいがらっぽさが残る。

「えと、そうなんだ……。知らなかった」
「なんだと思ってたんです?」
「浮気者」
「酷いです」
「ヤリチン」
「誤解です」
「女好き」
「そりゃ好きですけど」
「エッチしたい?」
「ええ、したいですよ」
「あたしとする?」
「え?」
「君って相手がしたかったらしてくれるんでしょ?」
「それはその……」
「ゴムもあるよ。だからしよ」
「美奈子先輩?」
「綾にこれ以上置いてかれたくないの……だから……お願い……」
「せん……美奈子……」

 雨が再び降り出したのは、二人が唇を重ねた後のこと……。


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