『メモリー』-5
『ダメっ、駄目ッ、イッちゃう、ぁあっ…』
由美の花園はビクビクッと痙攣を始め、僕の肉棒を更に絞め上げる、僕の我慢も限界を越える…
「うっ、うーっ…」
ドクドクと小刻な収縮を繰り返しながら、僕の精液が由美の中に広がっていった…
繋がったまま、肩で息をしながら僕達は、お互いを貪る様に、激しく長いキスを交した…シーツの染みは、先程より大きく広がっていた…
腕枕をして、天井を見上げ、由美の温もりを感じながら…
「由美…ずっと、ずっと由美の事…愛してるよ…」
暫くの沈黙が流れた後…
『私も真也の事…好き…』
(…好きか…)
由美の言葉が何度も何度も木霊して、僕の中で複雑な思いが交錯していた…
この時が、オクテだった僕の初体験であり…由美と愛し合ったのは、これが最初で最後であった…
あれから、随分年月が流れた…由美と会うのは、あの日以来の事…
『真也!真也!』
息が詰まりそうな車内で由美が僕の肩を小突いていた
「えっ?」
『えっ?じゃないよ〜。ボーッとして…』
呆れた顔で由美が笑っていた…
『人の話聞いてないんでしょー。まったくー』
「ゴメン、ゴメン」
『実はね…8年前に、離婚しちゃったんだ…今は、あの娘と二人暮らし…女二人で活きていくのも楽じゃない…たまには愚痴聞いてよネ…』
サバサバとした笑顔…高校時代の様に輝いている由美が、目の前に居た…
由美は、僕の降車駅で別の電車に乗り換えると言う。別れ際に、スーツの内ポケットから名刺を取り出し、裏に携帯番号を書き記し由美に手渡す…