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『メモリー』
【女性向け 官能小説】

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『メモリー』-6

「気が向いたら、連絡頂戴」


『ありがとう、じゃあ』


 手を振る由美の左手の薬指に、あの時の金色のリングは無かった…


 雑踏の中に由美の姿が消えて行くのを、僕はいつまでも目で追い掛けていた…


 一日中、気が付くと携帯を眺めていた…こんな事なら携帯の番号、聞いておけば良かった…イザと言うとき煮詰まらない性格は、あの頃からチットも変わっていなかった…


 夕暮れ時、見覚えの無い番号が携帯の画面に刻まれた…


「はい…」


『真也?私…今から、食事でもどお?』


待ちこがれた連絡…


「うん、喜んで…」


『あの後、あの子から何通もメールが入って大変だったんだよ、根堀葉堀、昔の恋人でしょって…』


 由美と話しながら僕は、薬指の銀色のリングを外し財布の中に、しまっていた…


『あっ、あの子ね真由って名前なの、真也の"真"に由美の"由"って書くの…フフフッ、口元が誰かさんにソックリでしょ…』


 電話の向こうで、由美が悪戯っぽく笑っていた…




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