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異界の狂宴
【ホラー 官能小説】

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異界の狂宴-6

俺と酒井は思いっきり注連縄まで走ると注連縄を潜った。ふと後ろを見ると神官達はいなかった。ただの静かな森が広がってるだけだった。
「見たんですね、あの異形の者たちを。」
「うわあ!」
ふと見るとそこにはあの町長と消防団と一緒に立っていた。どうやら心配になって
来てたらしい。
「あなた方を討伐に参加した僧侶が建立した寺に案内します。そこで真相を話しましょう。」

俺と酒井は寺に案内された。中には住職がいた。住職と町長からこの町に伝わる話の真相と隠された悲劇を語り始めた。

ここがかつて山村だったころ、源平合戦で落ちてきた武将、僧侶、神主がその邪教集団を討ったという話は聞いたが、
その邪教集団は村から少女をさらい麻薬を体に塗らせて邪教集団の少年(長男ではない少年)と性交させてその少女を「神」にしてたようだった。
さらに少年を子どものころから麻薬付けにさせていたようである。もっとも吸わせていたというのが正解のようだが。
この非道に武将は激怒したようだった。討たれた邪教集団は裏山に昔からいたようだった。
その邪教集団が何故発生したのか不明だがどうやら古代からの住民のようであった。
彼等はいかなる文明も拒否してたようだ。武将に征伐されたのでその村からは一歩も出る事はなく自分のところの少女を
「神」にしてたようだった。その後村は室町時代に開放され、戦国、江戸を通じて発展したが邪教の村はそのままだった。
後に明治維新になると明治政府が役人を派遣して国勢調査をしようとその邪教の村に役人を派遣したところ役人が殺されるという事件が発生。
警察が出動するも激しく抵抗したので明治政府は陸軍を鎮圧に出動させた。近代的装備の
陸軍の前に刀と槍、弓矢だけの邪教の村人は制圧され
多くの神官が戦死したという。そして村に軍が突入すると村人は一斉に毒物を飲んで集団自殺をしたという。
そして死体安置所が今の温泉街の駅だったのである。そこには「神」だった少女と
神の降臨のために生贄になる予定だった少年も安置されてたという。
この事件を明治政府は国家機密とし、町の歴史からも抹消された。

「こういう話があるからあまり後世の人には伝えたくないのじゃ。この話は
すぐに忘れるのじゃ。それがあなた方のためでもある。」
僧侶は諭すように、かつ強くそう答えた。
「ビデオはどうします?」
これには町長が答えた。
「おそらく何も写っていませんよ。」
俺と酒井はHDDを再生したが確かに森だけで俺達の叫び声しか写っていない。
何故・・・?
「異形の者はカメラには写らないんですよ。ただそのカメラには祟りがあるかも知れない。
住職に読経をしてもらってお払いしてもらいましょう。」
カメラは住職の読経で払われたあと後日破棄した。

この話は住職の警告通り忘れる事として新作のDVDには載せない事にし
社長にも黙ってる事にした。町村夫婦には何も見つからなかったと報告した。
一方、交通事故に巻き込まれた鉄道マニアは意識が回復し、容態も快方に向かってるという。
ただ俺も酒井もあの山には二度と行けないだろう。
あの山には迫害された邪教集団の魂が今も住んでいるのだから。


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