操れるかも! 操られるかも!?-16
第6話 『大介の想い』
美奈子は初めてエッチした夜から毎晩俺の部屋に忍んで
くるようになっていた。
いつの間にか俺の机の上に無造作に置いてあった家の鍵
の一つをちょろまかして、深夜になると俺の部屋に侵入し
てきてエッチをねだるということを繰り返していた。
朝練はもともと大介以外の部員はたまにしか来ないので
俺も適当な理由をつけて参加しないことにしたものの、放
課後の練習はみっちりやらされているので、このままでは
美奈子とのエッチで衰弱死しそうな気がしてくる。
……だったら断ればいい、とは俺も思っているのだが美
奈子に全裸で抱きつかれてしまうとついつい体を重ねてし
まう自らの意志の弱さを存分に発揮してしまっていた。
そしてこの日も俺は美奈子とエッチしていた。
「ああっ、圭ちゃん、いい、いいよぉ……」
ベッドに横たわって両の乳房をきつく掴んだ俺の上で、
下半身で繋がっている美奈子が上下に揺れ動く。
美奈子の頬が赤く染まり、腰から太股にかけてガクガク
震える動きはフィニッシュが近いことを知らせる。
「あっ、あっ、ああっ、いく、いく、いくぅっ!」
俺と美奈子はともに体内から大量の液体をほとばしらせ
た。美奈子の体が俺の体にゆっくりと倒れてきて、俺は片
手で美奈子の背中を抱いてもう片方の手で美奈子の髪を撫
でる。
二人ともなかなか息を整えることができずにいた。
しばらくして呼吸が楽になった美奈子が俺の胸の上から
離れ、俺の横にゴロンと寝転がる。
「ねぇ、圭ちゃん。明日部活はお休みだよね」
「休みっていうか、部長が出かけて責任者不在になるんで
練習するか休養をとるかはそれぞれの判断に任せるってこ
とになったんだよ」
「だったら当然、圭ちゃんは休むんでしょ」
「まあ、そうなるけど……」
美奈子がにこにこしながら俺の顔を見る。
「だったら、明日は学校終わったらすぐホテルかどっかで
いっぱいエッチしよぉ、いいよねえ〜」
「……いや、俺は普通に休みがほしい……」
「ぶぅ〜、若さが足りないよ、圭ちゃん」
「若いからって体力が無限にあるわけじゃねえよ」
「もぉ! ……ま、いいよ。明日は放課後になったら無理
矢理その気にさせちゃうもんね〜」
「……うげぇ……」
……美奈子のことだから絶対本気だ……俺は少なからず
身の危険を感じてしまう。
翌朝早く、俺はだるい体を引きずるように野球部の部室
へと向かった。
大介につきあって朝練をしようとか考えたわけではない
のだが、なんとなく千佳の厭味でも聞いて気合いを入れ直
したいと思ったのである。
部室のドアを開けると、そこには部室の掃除を終えて用
具を片付けている最中の千佳がいた。
「あれ? 斉木先輩、朝練復帰ですか?」
「そう見えるか?」
「……かなり疲れてますね〜 お迎えが近そう」
今の俺の状態ではジョークに聴こえない。
「……でも、自業自得だったりして……」
千佳が探るような口調になる。
「な、なにがだよ?」
「……いろ〜んな女の子に手を出してたりとか……」
「……俺がそんなにもてるかよ」
「……先輩なら、できるじゃないですか」
力を使った俺にいたずらされたことを思い出しているの
か、千佳の顔が赤い。
「できるけど……してねえよ」
未遂に終わった千佳を含めても二人しか、とまでは言わ
ないし言えない。
「……ちょっと嘘っぽい……」
……こいつ、俺の心が読めるのか!?
「とにかく、そんな理由で疲れてるわけじゃねえよ」
俺はとにかくこの雰囲気をなんとかしたかったので、そ
うきっぱりと言い切った。
「……すごく嘘っぽい……」
「……」
……俺の疲労度がアップした。