DMAI1-6
「ここは甲板です。船員は中にいます」
「やっぱ大きいな………」
「あの人数を乗せていますからね、当然ですわ」
『ガチャ』
部屋、舵などは船の中央部の部屋にあった。 そこは8人が入って少し余裕があるぐらいで、船程大きくはなかった。
「これは僕たち専用でしてね、他はもっと広いんですよ。では、紹介します。まず私はアップです」
「おれはマンダン」
「あたしはエキマン」
「拙者はクロス。あそこで寝てるのはイリーガーだ」
「今拙者って言ったよね」
「格好からして侍じゃなくて?」
「侍………?」
「アムネシアはわからないか、んー………まぁ剣士だな」
クロスは腰に2本の刀、草履、着物という格好をしていた。
他4人は翔太たちと似たような格好をしていた。しかし、もっと年季が入っていた。
「全部で15部隊ありましてね、この船は1番隊です」
「ところでお主、そんな格好で戦に行くのか?」
「えぇ、何時も女は華やかでないといけませんわ」
「それがお主の武士道か」
「お主ではありませんわ、のりですわ」
「あ、僕は翔太!」
「アムネシア」
「確かに………」
「強そうね………」
「仲良くできそうでよかったです。出発は1番隊からですので翔太さんたちも準備して下さい」
「準備って言われても………」
「さ、イリーガーを起こして下さい。出発しますよ」
「準備は!?」
『ドンッ!!』
翔太がつっこむと重低音が鳴り響いた。
「なんですの?今の音」
「出発の合図のようなものです。では行きますよ!!」
「ここか?」
「うん、地図は、ここを示してるー」
一と恵美は2人で街にやってきた。チェックの洋館からは歩いてすぐで、街並みは洋館の雰囲気と似ていた。そして、海に面していた。海から見ると、この街の奥に洋館がある形だ。
「だが………誰もいねーじゃん」
「そーねー」
街に来たものの、街中には人が全くおらず、がらんとしていた。
「……何すりゃいいんだ?」
「チェックさんはー、海賊と戦えってー」
『ガンッ』
「は!?」
「!?」
一と恵美がもめていると、一の足に何かがぶつかった。
「この野郎!出ていけ!」
「何、こいつ」
一の足元には男の子がいた。身長は一の腰ほどまでで、服はとても汚れていた。