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初恋はインパクトとともに
【青春 恋愛小説】

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初恋はインパクトとともに ♯1/ラストサムライガール-4

それから今現在までの僕の記憶はあいまいだ…
どうやら彼女が駅のベンチまで肩を貸してくれて丁寧に…それはそれは丁寧に運んできてくれたらしい…
(それにしては背中とか腰とか色んなとこが痛いんですけど…)
「何を道のど真ん中でう〜う〜唸っていたんだ?声をかけるのを思わず躊躇ったぞ?」
「ははははは…すんません」
ベンチの上で正座して縮こまっている俺…
(まぁ何にせよこうして再開できた訳ですが…)
僕は今、気になって気になって仕方がなかった女の子と一緒にいる…その事を再確認すると一気に頭に血が上る…
「う〜ん…」
(随分先までの運を使い果たしたんじゃなかろうか?)
「やれやれ…またか…」
顔をグイッと掴まれる…
彼女はどうもご立腹だ…
(可愛いけど怒ってんだよな…恐らく)
「…だけど、俺のこと覚えててくれたんだね」
「あぁ…まあな。というか“また会おう”と言っただろう?私は口約束であっても約束は守る」
「それにまがりなりにも私を助けようとしてくれた…みたいだしな」爽やかに笑う彼女…
「逆に俺が助けられたけどね…」情けなく笑う俺…
「うん…まぁしかし…なんだ、おまえの行動はそうだな…立派?だった。結果はどうであれ、あの勇気は賞賛に値する…と私は思う。」
「竜童児さんみたいに可愛い子が困ってりゃあ男はみんな放っておかないと思うけど…」
俺的には何気ない一言だったが、その一言は彼女の顔色をみるみる変えていった…
「お…おおおまえ、私を口説こうというのか…そそんな言葉で私が…」
…何気に嬉しそうじゃないですか?
「いや…というかさ…また会って話してみたいなぁって…なんたって竜童児だし…」
今度はその言葉がみるみる彼女の顔色を冷めさせていった…
(俺なんかマズッたか?運を使い果たしたのか?)
「竜童児だから…か」
「竜童児だから何か?」
「いや…」
彼女…もしかして家柄とかを気にしてるのか?家族みんなが有名人だと色々大変だったりするのかな?
「いや…俺はさぁ竜童児さんに…アキラさんに興味を持ったっつうかさ…」
「え?」
「俺にとって、アキラさんと出会った“あの日”はとても印象深いインパクトの強い日だったから…」
「では私個人に興味を持ったと?」
「えぇまぁ」
「そうかそうか…そこまでどうしてもと言うならば仕方なしか…」
何やら一人でウンウン頷いている…なかなかお茶目だ…
「あの〜竜童児さん?」
「ん?なんだ?」
「いや…竜童児さんが急に黙り込むからさ」
「竜童児さんか…う〜ん…」
「どしたの?竜童児さん?」
「その竜童児さんと呼ぶのは止めてくれないか?竜童児という名を聞くだけで意識する者もいるだろうし…」
「じゃあアキラさん?」
「それでも良いが…んん!」
ガバッと立ち上がる竜童児…もといアキラさん…
(なんか今日は挙動不審?)
「私としたことが…そなたの名も年も聞いていなかった…」
「そういえば…俺としたことが話してなかった…」
「「ぷっ」」
「あははははっ」
「ふふふふふっ」
僕らは顔を見合わせ笑いあう…会うのは二回目だけど…何とも心地よい空間だ…

「え〜と改めましてヨロシク!朝比奈茜です。」
「うん……アキラだ…その、よろしくな…アカネ」
結局、僕らはその日から名前で呼び合うことになった…
………
「しかし、そなたも剣術を学んでいるとはな…いつか手合わせ願いたいものだな」
「冗談?俺なんて秒殺だよ」
「いやいや、やってみないて分からないぞ?この私だって親父殿から一本取れる日があるのだからな…」
「ははは」
(そもそものレベルが違いすぎると思うんだけど…)


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