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官能の城
【女性向け 官能小説】

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官能の城(3)-2

それだけでなく父の真摯なる教育を受けている彼は人間的にも優れ、
父の命令を受け、心からそれを遂行しようと決心し
単独で目立たない服を着て城を出たのです。

彼はリチャードとは面識がありました、
と言いますのは
リチャードはマークスから教育並びに武術を習っていましたが、
やはり王子と年頃が近く
何かと王子の話役にもなれるということで
父がメルシーを王子と一緒に教えたのです。


リチャードは退屈しこの城の老廃した世界が嫌いでしたから、
この教師の教えを忠実に守りました、
そして剣の技の憶えも早く
共に学んだマークスの息子のメルシーと互角の勝負をしたものです。

ですからメルシーはリチャードが城を抜け出したい気持はよくわかりました、
しかし父からこの国に暗雲が漂っていると聞いて、
今はそんな場合ではないと今更ながら思うのです。


(14)


あれからリチャードは少女マリアの家の居間にいました。
お互いに始めて交わした性の喜びを胸に秘め、
思いを新たにしたようです。

しかし、今どうこうしようと言うのではなく、
お互いの心を確かめ合ったのです。

マリアはあの後リチャードを家に招きました。
そこは野原の中にある質素だけれど暖かい家でした、
食卓を囲んで二人とマリアの両親、
それにマリアの兄のジョセフの5人がいました。


食事が終わった後マリアの父のヨーゼフはリチャードに言いました。
「ルイスと言うんだね、君の名前は」

「はい、突然お邪魔しています、
昨日は牛小屋で一晩過ごさせていただきました」

「そのようだね、ところで君は家を飛び出してきたようだね」
ヨーゼフはまじめな顔をして言う少年の顔を見て
ニコニコしながら言うのです。

「はい」

「あまり両親を心配させてはいけないよ、
もっと親を大切にしなければ良い大人にはなれないからね」

「はい、わかっています、でも僕はもっと色々なことを知りたいのです、
もっと違う世界を知りたいと思っています」

「ほう、それはどんなことかな、
もし君さえ良ければ私に教えて欲しいのだが」

「はい、両親のことは別にしまして、
僕は少し事情があって家を出てきました、
それはただ僕の我が儘だけでなく、
この国がどうなっているのか知りたいのです」

「なるほど、君は私が思っていたよりも賢いようだ、
それでどう知りたいのかな」

「この国の城では乱れて退廃していると聞いています、
なんでそうなったのか、それを直すのはどうすればいいのか、
人はそれをどう見て考えているか等を知りたいと思い家を出たのです。」


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