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恋人に捧げる舞子の物語
【SM 官能小説】

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恋人に捧げる舞子の物語(黎明編)(その1)-4

 あなたの中の性の倒錯…その倒錯こそあなたの性の始まりだったのだ。


あなたはハイヒールの先で、義父の頬を小突き、その先端を彼の薄い唇の中にねじ込む…。義父
は苦しげ頬を歪めながらも悦楽の嗚咽を洩ら続けた…。


 変態! 豚! 

あなたは、そんな言葉さえ蹲る義父に浴びせられるようになっていった。
そして、ときに甘い言葉を吐きながら、彼の頬をハイヒールの爪先で撫でると、義父はまるで餌
を与えられた犬のように目を潤ませ、黒いハイヒールの裏側から爪先までねっとりと舌を這わせ
るのだった。



「ほら、もっとしっかり舐めるのよ…」
 
苦しげな義父はあなたに命令されるままに、ハイヒールの先端を口に含み、唇の端から涎を垂ら
しながら頬を強ばらせた。すでに彼の肉幹は緑色の血管が浮き出し、亀頭の粘膜はすでに透明の
汁でぐっしょりと濡れ尽くしていた。




もう、ずっと会うことがなかった義父とあのとき出会ったのは、ほんとに偶然だったのか…。
あれは深夜の駅のホームでの出来事だった。急に襲った眩暈であなたがふらりとしたとき、抱き
とめてくれたのが義父だった。仄かな甘い匂いに包まれるように、あなたはその胸を義父に抱き
すくめられた。

「大丈夫ですか…」

あなたを抱き支えた義父の、どこか柔らかくふわりとした体…わずかに肩にかかった艶やかな髪
からは、あの頃の彼の匂いが一瞬漂った。

「もしかしたら、舞子さん…舞子さんじゃないですか…」

あなたの体がむず痒くなるような猫なで声で彼は言った。どこか甘い精液の臭いがする彼の吐息
が首筋に纏いつく。翳りをもった奥深い彼の瞳があなたの体全体に注がれる。どこか冷たい鋼線
が体全体に絡んでくるような視線だった。

ほとんど同時に、あなた自身も女を惑わせるような彼の姿態に視線を這わせる。男と女のどこか
性器を擽り合うような出会いというものがこういうものだということを、あなたはあのとき初め
て知ったのかもしれない。


少女の頃、あれだけ嫌いだった義父と再会したあなたは、まるで別人のような義父が持つ、何か
予感のようなものに取り憑かれ、琥珀色の疼きを感じ始めた。


 …女に嫉妬を抱かせる、限りなく無垢なエロスに包まれた男…


肩にかかった髪をかきあげるその優雅なしぐさ…そして、そのしなやかな白い首筋…
あなたは胸の鼓動を押さえるように、彼のボタンの外れたシャツの胸元から覗く肌に視線を注ぐ。
それは官能の匂いがする男の肌ではなく、どこまでも禁欲的な匂いのする象牙色の肌だったのだ。



ふと気だるい香りが、マンションのバルコニーに佇むあなたの股間に漂う。
街が靄をまとい、静寂に包まれた黎明のとき…あなたの閉ざされた性器を掻き毟るほどの渇きが、
突然あなたを襲ってくるのだ…。


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