ふつう-第九話-1
思わず言ってしまった…。
「えっ…あーっ…あのー…まぁ、そのまんまの意味なんだけど…」
「パツ子は俺のこと特別に思ってくれてんの?」
「あ…まぁ…うん…」
やばい…私顔赤いかも…。
っていうか、いっそ言ってしまった方が楽じゃないか、私よ。
今まで自分であんまり考えないようにしてたけど…。
でも…やっぱり好きなんですよね…。
「あ…あのね、だからね、私にとって鷹丸くんて初めて会った時から凄い新鮮でさ…、見た目もそうだし何より内面もさ。私に無いもの沢山持ってて…で、色んな話してくれるし、今みたいにこうやってパターンとか見せてくれてさ…とにかく鷹丸くんから学ぶことって凄い多いんだよね…。だから何て言うか…鷹丸くんはいつも私に刺激くれるし、だから特別だし、大切なんだけど…」
けど…
「私なんて鷹丸くんの沢山いる友達の中の一人だし、まぁ、普通のクラスメイトだから…。でも多分他の皆も鷹丸くんのことそう思ってるしさ。だからね、私の言う特別ってのは、まぁあんまり気にしなくていいから…」
やばい…何言ってんだ私…。
せっかく、自分で言えそうだったのに…。
「…………」
鷹丸くんは黙ったまま新しいタバコに火を着けた。
…やばい、あんなこと言わない方が良かったかな…。
「嬉しい反面、ちょっと残念」
「……えっ?」
「パツ子がさ、“私は沢山の友達の中の一人だから”とか“普通のクラスメイト”なんて言うからさー」
「…どういうこと?」
「んー…まぁ、俺の意思表示が下手ってのもあんだけど…」
少し俯いたまま、続ける。