官能の城(1)-9
私はお二人を見ながら夢中でクリトリスを弄り
「あっあっ・・」と声を出しながら果てて逝ったのでございます。
その後お二人はベットの上に移られてから
数々の悩ましい愛の行為を続けて居られましたが、
私はこれ以上のことをお話しすることは出来ません。
それは何故かと言いますと、
私も再び自分の身体を弄んで居りましたので気持ちが良くて、
その後のことは良く憶えてないからでございます。
・・とこれが王妃マーガレットの侍女アンナの告白でございます。
そして彼女は、
「早く私にもこんな素敵な男性が現れて、私の身体を貫いて欲しい」
と心から思ったのです、
そして唯一彼女と同じ侍女のジャンヌも同じ思いのようでした。
そんな二人にも思わぬことが訪れるのですが、
それはこの後にいずれお話しすることに致します。
(8)
さて、ここからは少しリチャード王子のことについてお話しましょう。
彼はこの国の王のキングと王妃のマーガレットとの間に生まれた第2子でした。
リチャードには姉のマリアンがいましたが、
彼は唯一の王子でしたので、
いずれその国の王になることを約束されていました、
しかしそれは世の中が何もないときのことでしたので、
これから起こる様々な事件や争いごとに、
まだ若いこの王子はその運命を翻弄されることになるのです。
今若いこの王子は利発でしたがそのようなことを知ることも、
予知することも出来ませんでした、
それに彼自身がそういうことについて執着が無かったのです。
それは、今この国が富み栄え、
平和の中で誰もが享楽に甘んじている時代においては、
彼は幼いながらもそのようなことを疎ましく思っていたのかも知れません。
彼は、父の王と母の王妃がいつの日にからか仲が良くなくなってきて、
お互いに愛人をつくって居るのを見て知っていたのです。
しかしいずれこの国の将来が、
このリチャード王子の双肩にかかっていることは疑いの余地もありません、
しかしその時代には、
見えない大いなる野心と野望がこの国にも渦を巻いておりましたので
それも例外ではありませんでした。
若い王子には、まだそのような雰囲気を察知することができませんでした、
ただ彼が思っていたことは、
この窮屈な城から抜け出してのびのびとした自由な生活を楽しんでみたいという、
少年のような無邪気な気持がいつも芽生えて心の中に巣立っていたのです。
リチャードには、
彼を補佐する為に王が彼のために付けた教育係のマークスが居りました。