SWEETHEART〜目覚め〜-1
『ジリリリリリリ』
『バンッ』
「ん…………」
京はいつも通り7時に目覚まし時計に起こされた。いつも通り学校に行くために。
だが………。
「こいつの存在はいつも通りじゃねぇんだよな」
昨日から京のボディーガードとしてやってきた宇宙人のリカの存在だ。
リカは京の部屋で暮らすことになったのだ。寝込みを襲われたらマズイとのことで、リカは京の横で寝ている。
「ん……………」
「よう」
「あ、キョー。おはよー」
寝起きのリカは、長い水色の髪がボサボサでパジャマはグシャグシャでだらしなかったが、それがまた可愛かった。
朝から心臓に悪い風景だ。
「よし、じゃ朝飯食べてくるから待ってろよ」
「はーい!」
「だから声が大きい!」
朝は母親がいるためリカを京の部屋に閉じ込めてなければならない。
「おはよー」
リビングに入るといつも通りテーブルに朝ご飯が並んでいた。父親手作りだ。京の家庭は一般の家庭とは逆で、仕事が忙しい母親に代わり、父親が家事をやる。
だから、料理はいつも父親が作っている。
「あれ、母さんは?」
「なんか最近忙しいから、朝早いって言ってもう出てった。リカさん呼んでもいいぞ?昨日の晩みたいに少し余分に作ったから」
「おう、ありがとう」
京はまた自分の部屋に行き、リカをリビングに呼んだ。
「またお父さんの料理食べれるんだー!幸せ〜!」
リカはとても嬉しそうに笑っている。
「そう言ってくれると作りがいがあるねぇ」
「まぁ、確かに親父の料理は相当上手いよな。初めてなら尚更。で、リカはおれがいない間はどうするんだ?」
「え?いない間って?」
「だから学校行ってる間だよ」
「んーとね、社長にはここに行けって言われたよ?これってどこ?」
そう言うとリカは紙を差し出した。
「えーっと………第一芝高等学校………って、おれの高校じゃねぇか!」
「本当!?やったー!」
「まぁ、ボディーガードなら一緒にいないと意味ないしな」
「やっぱ京もあたしと一緒にいたいんだ!嬉しーなー!」
「いや、別にそういう意味じゃ………」
(中越の前でベタベタされるのも嫌だしな………)
「じゃ、行ってくる」
「行ってきまーす!」
「おう、頑張ってな」
そういうわけで京はボディーガードのリカと一緒に登校することになった。制服などはないので、とりあえず普通の格好で行った。