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フニと僕の成長記
【家族 その他小説】

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僕とフニの成長記5-2

『フーッ、フーッ…!』

フニは諦めてフローリングにのたばっててくれ。
その時でした。
フニが僕の顔を舐め回してきたのです。
この暑さにこの湿り気はたまったもんじゃない。

『ベロベロベロベロベロベロ』

「うぅフゥニィ、ちょ…んぶ…やめろってフニィ…あ!」

僕は舐められないよう、知らず知らずのうちにベスポジから体をずらしていたようです。
ハッと気がつくと僕が寝るはずだったクッションの上でフニがちょーんと丸くなっていました。
扇風機の風をモロに受け、誇らしげに目を細めていました。

『おーすずしー』

フニの顔の毛がわっさわさなびいています。目が乾くんでしょうね。ショボショボさせてますが、それすら喜ぶように扇風機の前を陣取っていました。
そっちがその気なら…。
僕は違うクッションを持ってきてフニから離れた場所に扇風機の風を固定。その真ん前でゴロンと寝転がりました。
暫くすると

『ヘッヘッヘッヘッ…』

殺気を放つフニの視線。

『ベロベロベロベロ』

「んぶ…うぅっ」

わさわさわさわさわさ。
移動。
維持でも譲らないフニの視線。
僕の頭の中では、涼争奪戦のゴングが鳴り響いていました。

『ベロベロベロベロ』

「うっ、んぶぶ…ウ!」

わさわさわさわさわさ。





『ベロベロベロベロ』

「うぅ〜…フゥニィ〜!」

わさわさわさわさわさ。





『ベロベロベロベロ』

「んぶ…も〜!」

わさわさわさわさわさ。





フニの中でもゴングは鳴っているようです。あのフニが、何よりもダラケを愛するフニが、こんなにもしつこいなんて。
またしてもフニの熱視線。
次は顔中ベッタベタになっても動かない。


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