ふつう-第七話-5
「んー…まぁ簡単に言うと服の設計図なんだけどさ。説明しずらいな…」
「例えばここの…このシャツにも、あそこに掛かってるパンツにも、あのTシャツにも、あるんでしょ?」
「だね。それぞれにパターンはあるんだけども…あのTシャツは違うんだな」
「そうなの?」
「あのTシャツはね、簡単に言うとニットって編み物から作ってて、パターンは無いの。俺の今着てるパーカーもそう。逆にあのシャツとかパンツは、布帛だからパターンあるんだけど…分かる?」
「いや…分かりません…」
「だよね…」
「でも実物がどんな物か見てみたいけどねー」
「あー…………あっ、なら今日うち来る?俺バイト上がってからだから、まぁ遅くなっちゃうんだけど」
「えっ!?」
「いや、うち来れば俺の服のなんだけど実物のパターンとかあるから説明しやすいし」
「やっ、でも…遅くなったら悪いよ…」
「別に構わねっすよ。うち親帰ってくんのも遅いし」
「そうなんですかぁ…」
「まぁパツ子さえ宜しければ、ね」
「うーん……じゃあ、お邪魔させてもらおうかなぁ」
「あ、そ。じゃ俺がバイト上がったらまた連絡しますわ。えーっとね……あと1時間半ちょい…どっかで待ってて貰ってもいい?まぁもしくは一旦帰宅されてもいいっすけど」
「あ、了解っす」
マジか…マジで行くのか…。
内心すげードキドキしとります…。
てか自分からお邪魔するって言っといて何ビビッてんだ私…。
とりあえず一旦帰って、何となくシャワー浴びて、スカッとして、で、鷹丸くんの連絡待ちなんだけど…。
おっ、電話だ…。