ふつう-第五話-1
今頃あの二人はデート中なんすよね…。
なんてこと考えながらバイト中。
いまいち身が入らないというか。
考えたってしょうがないけど。
と、上がりまでまだまだ時間あるし…ちっ。
ってさっき入ったばっかりだからなー…。
おっ、また新たなお客様だ。
「いらっしゃいま……あっ」
「あ、すくー!」
「お、パツ子」
「大海、鷹丸くん…」
「さっきここの前通ったら看板出てたからさー、やっぱりやってたんじゃーん!しっかりバイトまでしちゃってー」
「や、き…急遽ね、オープンにするって聞いたからね…急遽ね、バイト入ったんだー…」
「なんだー!そうならそうと言ってくれればよかったのにー!」
「ごめんね…。あ、こちらへどうぞ」
「はーい!」
まさかマジで来るとは…。
滅多な嘘はつくもんじゃねー…。
「な…何か注目決まった?あ、鷹丸くん、灰皿どうぞ…」
「おっ、ありがと。じゃ俺アイスコーヒーで」
「じゃあ私はレモンティーと、チョコチャンククッキーでー」
「かしこまりました…」
あーなんだこれー。
すっげー変な感じ。
さっきから頭がぐるぐるぐるぐる…。
いざ二人揃ってるとこ見ると、こんなにも変な感じするんだね。
この感じ、何なんだ?
わき目に観察すると、そこには仲良くお喋りしてる二人。
というか、大海の話に頷いてる鷹丸くん、っていう構図。
さっきから大海ばっか喋ってんじゃねーか…鷹丸くんにも話しさせろ!
おっと…仕事仕事…。