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ふつう
【青春 恋愛小説】

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ふつう-第五話-5

「私は…生で。救ちゃんはどうする?」

「え…あ、ウィルキンソンで…」

「お酒じゃなくていいの?」

「まだ高校生だし…それに私弱いんで…」

「あ、そっかぁ」



オーダー来るまでの間、しばし清さんを観察してみる。

綺麗にアップで纏められた黒髪に、両耳にはシンプルな黒のピアス。
スタイルの良さが際立つ真っ黒のタイトなパーカーに白無地の衿ぐりが胸元まで開いたカットソー。
調度胸の谷間の位置に、鈍いシルバーで羊の頭を象った革紐のチョーカー。
袖はロールアップしてて、手首にはシルバーの細いバングルが一つずつ。
左手の小指と右手の人差し指にシルバーの細い指輪。
パンツはグレーの薄手のウール地で、股上が目茶苦茶深いサルエル。
靴は黒のスウェードのウェッジソール。

カッコイイ…。
大人だなぁ…。
全部が凄い高そうだし…。
対する私の今の服は…情けなくて何も言えないっす。

と、よく見てみると調度アップにしてる髪のうなじの位置に、黒で蓮の絵が彫ってある。
あっ…鷹丸くんも彫ってたやつだ…。
ほんとにお店の人は入れてるんだ。



「救ちゃん、どうかした?私に何か付いてる?」

「あっ……いえ、あの、お洒落だなと思って」

「あぁ、このお店いいよねー。たまに来るんだけどさ、BGMのセレクトもいいし」

「あ、じゃなくて…清さんが…お洒落だなーと…」

「えっ?あぁー、ありがとねぇ。こんなんでもあそこの販売員だからさ、まぁそれなりにね」

「いや、もう…私から見たら…」

「そう?救ちゃんだってすっごい可愛いよー!そのシャツとか凄い似合ってる。サイズ感がバッチリだもん」

「あ…いえ…そんな…」

「ふふ。まぁとりあえず飲も?ね?かんぱーぃ」

「あ、乾杯…」



清さん、可愛い…。
笑顔ヤバイっすよ…。


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