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ふつう
【青春 恋愛小説】

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ふつう-第二話-1

鷹丸くんが来てから早一週間が経った。
クラスとも完全に溶け込んでるし、他のクラスにも先輩にも友達が出来たみたい。

この外見とこのキャラだから、寧ろ周りが放っておかない。
謎が謎を呼び、口コミ的に鷹丸くんの評判は広まっていった。


しかし私と言えば席は隣ながらもたいした話はしていない。
取り留めもない、他愛ない話ばかり。


それでも鷹丸くんの新たな一面は山ほど発見出来た。

独学で洋服作りを勉強していることやDJをやっていること、区内の繁華街にあるセレクトショップでこの学校に来る前からアルバイトをしていること、ほんとは引っ越した場所からでも前の学校には遠くてもどうにか通えたのだが、ダルいからと学校まで変えたこと(バイト先は変えてないのに…)、タバコを吸っていること、人の名前を覚えるのが苦手だということ、中二から急速に髭が生えだしたこと。など。

全く、話をしていて飽きない。
ただいつも話し掛けるのは殆ど私からで、鷹丸くんからは挨拶くらいしか声を掛けられないんだけど…。

でも色んな意味で気になって気になって…。



「ねぇねぇ、パツ子」

休み時間にいきなり話し掛けられた。
“パツ子”というのは私の新たなあだ名で、鷹丸くんが付けてくれたものだ。
理由は、私の前髪がパッツンだから。



「なーに?」

「あのさ、一番最初に俺に質問してきた子いるじゃん。なんだっけ、あの…イケメン風の…」

「あ、あぁー。日野ね?」

「あっそうそう。日野くん。あの子さ、俺のこと嫌いなのかな?」



久しぶりに鷹丸くんから話し掛けられたと思ったら、これだ。



「どーして?」

「俺のことたまに睨んでくんだよね。睨むっていうと語弊があるかな。何て言うか、敵対心持たれてるっつーか」

「んーどうだろうね。でもまぁ鷹丸くんは日野より面白いからね、ライバル心抱いてるんじゃない?」

「俺が面白いってか彼がつまんないだけだと思うんだけど」

「言うねー鷹丸くんも。まぁ日野ってそういうやつだから。自分が中心じゃないとイヤ、みたいな」

「ふーん。そういう友達はいないから新鮮だなぁ」

「新鮮?あんなやつが?」



私にとっては鷹丸くんの方が一億倍新鮮なんだけど…とは言わない。


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