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ふつう
【青春 恋愛小説】

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ふつう-第二話-5

体のアウトラインに沿ったすごくタイトな真っ白のシャツを、首から下まで全部ボタンを留めて着ている。しかし体細いなー…。

太股周りが物凄く太くて裾に向かって緩やかに細くなっている真っ黒のワイドパンツに、真っ黒の革靴。

あっ、指輪が右手の人差し指にも増えてる。
左手首に革バンドの高そうな時計まで…。

髪は縛ってなくて全部右に流してるから、左側だけ坊主が丸出しで左右で全く違うみたい。しかし髪なげーなー…。


お洒落さんだな…。
こいつほんとに同級生か…?



「…へ、へーそうだったんだぁ…。あっ、こちらの御席どうぞー」

「あ、悪いね。じゃあホットコーヒー一つと…あとシナモンクッキー一つ」

「かしこまりましたーっ」

「あ、あと灰皿いい?」

「あそっか。少々お待ちをー」

「ん。ありがと」



何となく緊張する。
自分のバイト先に友達とかが来ちゃうと変な感じするの、分かるでしょ?
ましてや相手は鷹丸くんだ、勝手なプレッシャーたるやハンパではない。

チラっと鷹丸くんを見てみる。
タバコを吸って携帯をいじっている。

鷹丸くんタバコ吸うとこ初めて見るなー…。
なんかかっこいいじゃねーか…。



「お待たせ致しました、こちらホットコーヒーとシナモンクッキーでございます」

「おっ、ありがと」

「鷹丸くん、クッキーなんて食べるんだねぇ」

「茶化すなよ。俺だって人だ」

「や、意外だなーって思ってさ」

「そう?そういえばパツ子何時までやってんの?」

「んーっとね…あっ、あと15分くらいで上がり。いつも9時までなんだぁ」

「あ、そうなんだ」

「そ。もう少しで終わるーっ」

「じゃ終わったらちょっと付き合ってよ。せっかくだしさ。ここ、もう一個席あるし」

「あっ、いいよー。じゃあちょっと待っててねー」

「ん。あと少し頑張ってね」



内心ドキドキである。
ここだけの話、多分私鷹丸くんが……おっと…。

てか…あっ!
バイト上がったら学校の制服に着替えなきゃじゃん!
…なんで私だけ…はぁ。


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