ふつう-第二話-4
「おはようございまーす」
「おーすくちゃん、おはよう。今日はちょっと人多いから大変だぞー」
「うえっ、マジすか…」
この学校に入ってから、学校からチャリで25分くらいの区内の繁華街にある、15時オープン23時クローズのカフェでバイトを始めた。
週に3〜4回、学校終わりから21時まで。
試用期間が終わって最近やっと時給が980円になったとこ。
男女共に同じデザインの制服支給で、白シャツに黒のスラックスに、腰から下だけの黒のエプロン。
私はホール担当だ。
「いらっしゃいませ!何名様でしょうか?…はい、ではこちらの御席へどうぞ。………あ、はい、すぐにお伺い致します!」
確かに、珍しく多い。
平日なのに、何故?
「すくちゃん、こっち4番ね。あとこっちテラス6番だから」
「はい!」
誰かが帰られたら次がまた来る。これの繰り返し。
今何時だ?
……おっ、8時半じゃん!
よっしゃあと30分…。
と、また新たなお客様だ。
って…あっ!
「鷹丸くん…」
「あれ、パツ子?何してんの?」
「あ、私ここでバイトしてんだよね。鷹丸くんは?」
「俺も8時でバイト上がりでさ。こっからショップ結構近いんだよね。たまにここ来てんだけど、パツ子いるなんて知らなかったわ」
いつもの制服ではない、私服の鷹丸くん。