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ふつう
【青春 恋愛小説】

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ふつう-2

「おい、お前ら早く席着いて静かにしろー。他のクラスのやつらもさっさと教室戻れっ。もうHRは始まってんだからな」



うちの担任はわりと口が悪い。
だけども中身は優しく、歳も29と若いので、生徒からは兄の様に慕われている。


「えーっと、昨日も言ったけど、転校生な。来てっから。紹介する。おーい、多岐野(たきの)」



うちの学校は校則はあるがかなり緩く、制服の着方も髪色も髪型も、かなり自由。

女子の制服が特にかわいいと人気で、この学校そのものもかわいい女子と格好良い男子が揃っていることで有名だ。

しかし偏差値は高いがために入るのは決して簡単ではなく、先に言ったことも合わせてうちの学校に入るのは一つのステータスでもあり、憧れになっている。

先に“校則はあるがかなり自由”と言ったが、それでも極端に激しい外見の人は皆無で、だいたい皆黒や茶や金のどれかで長さも形も所謂今時の高校生のソレとなんら変わらない。
制服の着方にしても程々に、その程度である。
ピアスその他の装飾品もそれ相応だ。

しかし。
“多岐野”と呼ばれた人物が廊下から教室に入って来た時、それまでざわついていた教室が一瞬静まり返った。気がした。



「えーっと、今日から皆さんと同じクラスで勉強することになった多岐野鷹丸(たかまる)です。よろしくお願いします」



クラス全員の両目は、かなり低い声で挨拶をした彼に釘付け。
それもそうだ。

髪はかなり長いのだろう、その黒髪はトップで縛って大きな一つお団子にしているのだが、両サイドは高校球児ばりに刈り取られている。
言ってみれば、物凄く長いモヒカンだ。

両耳には大きなゲージのホールが一つずつ。

眉毛は薄く、切れ長の細目。

また調度顎の中心からのみ伸ばされた顎髭は細く編み込まれていて、首の付け根くらいまで伸びている。

両手の小指には銀の細い指輪があり、さらに両手の小指と薬指はマニキュアで黒く塗られている。

身長は180センチ超はありそうだけど、そのわりに顔が物凄く小さい。

かなり痩せてるっぽい。

制服のシャツとブレザーは普通なのだが、スラックスは異常なくらい太く、また異常なくらい低い位置で履かれている。


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