距離〜義明と琥珀〜-4
「せっ…先輩っ!?義明先輩!?剛先輩!義明先輩が…」
「あららっ!よっちゃーん!おーい!大丈夫か!ねこちゃん、ちょっと保健室の先生呼んできて!」
「は…はい!」
「……………あれ?」
「あっ、先輩!」
「ん?あれ?ここどこ?」
「保健室のベッドですよ。先輩私と話してる途中にいきなり倒れちゃって、大変だったんですよーっ」
「えっ?マジ?」
「はいっ。あ、先生の話だと熱中症らしいですよ…。やっぱりあの暑さと陽射しは厳しいですよねぇ」
「あー………マジかっ。よっと…」
「ちょっ…!まだ寝てて下さいよ!」
「やっ、もう大丈夫…」
「ダメです!」
「あっ…はい…はい」
「あっ、喉渇いてませんか?スポドリありますよ」
「あー貰っていいかな?」
「はい!どうぞ!」
「おっ、ありがと。いよっと………って、結局起きちゃったね」
「あっ…」
「ははは。まぁもう大丈夫だからさ」
「すいません…」
「あれ?先生は?」
「職員会議に行ってますよ。あっ、先生からは“学校締める前くらいまではベッド使ってていいわよ”って言って頂きましたから。だから今は先輩と私しかいませんっ」
「あっ、そうなんだ。えっ…てか今何時?」
「6時半ですっ」
「えっ!?他のやつらは!?」
「定時で終わってお帰りになりましたよっ」
「マジっ?え…じゃあねこちゃんは?」
「私は練習終わってからずっとここにいました」
「えーっ!ごめんね!…しかし順平も気がきかねーな!ねこちゃんこそ先に帰って良いのにさ…」
「あっ、いえ。私が順平先輩と変わって貰ったんです。順平先輩もヘトヘトになってましたし、私なんか全然疲れてないですからね」
「いやーでもよー…」
「大丈夫ですよー。今の時間で今日の分の部活のノートもまとめられましたし、数学の課題も出来ましたから。それにほらっ、もう制服に着替えてますし。気にしないでくださいっ」
「……そっかぁ…。いやーでも悪いね。もう大丈夫だから、ねこちゃん帰ってくれて構わないよ?この辺もあとは自分で片付けておくからさ。ほんとありがとうね」
「あっ…………あの……」
「ん?」