織露府(オルロフ)家の花嫁-9
「愛してるよ、千夏…」
淳哉の殺し文句が耳元で囁く。その甘い響きの前に、ついに千夏はコクンと頷いて目を閉じた。
淳哉の手が胸の膨らみを揉みしだく。千夏のバストは横たわることで少し左右に流れてはいたが、ふっくらとして心地よい弾力を持っていた。乳首を弄んでいると、乳首が固く屹立してくる。
「うっ…、うぅ…」
「感じてきたんだね。可愛いよ…」
目を閉じ、押し殺したような小さな声で喘ぐ千夏に、淳哉は満足そうな笑みを浮かべて言った。
淳哉の手が千夏の身体を滑り、脚の付け根に密生する茂みを愛撫した。処女検査でたっぷり弄られたせいか、指先に触れた陰唇は既にヌルヌルになっている。
「あふぅ…」
濡れた性器に触られて、千夏は熱い吐息をつき、身を震わせた。
順調に感じている千夏に更なる快楽を与えようと、濡れた粘膜にそっと中指を挿入した。続いて、肉芽を探り当て指先で転がしてみる。
「あぁん…」
千夏が敏感に反応する。既に男を受け入れる体勢が整っていた。淳哉の股間の肉竿も大きく勃起している。淳哉は千夏の身体をあお向けにし、正常位の姿勢になった。
「千夏、いくよ…」
そう声をかけた淳哉だったが、しかし、いよいよという段になって、千夏が泣きべそをかいて抵抗し始めた。
「いや…、いやっ!」
体位を変えた時に、自分たちのセックスを固唾を飲んで見守っている人々の姿が千夏の目に入ってしまったのだ。
織露府家の男達は裸でからみあう自分たちを指さして笑い合っている。悲しそうな顔で見守っている千夏の両親がいる。親戚や友人達。あちこちでフラッシュが光り、かぶりつきでカメラを構えてシャッターを切りまくっている川原も目に入った。いくら愛する男性が相手でも、こんなに大勢に注目される中で処女を捧げるのは、やはり耐えられなかった。
「わがまま言うな!」
めずらしく厳しい口調でそう言うと、淳哉は右手で片方の乳房をわし掴みにし、有無を言わせず、ゆっくりと千夏の中に押し入ってきた。
「うっ!」
千夏が眉根を寄せて、呻き声を洩らした。勃起した肉竿が陰裂に入り込んでいく。千夏は両手で淳哉の腕をつかみ、きゅっと力を込める。
「うぅ…、痛いっ…」
肉竿の根本まで淫裂の奧に突き刺すと、千夏は処女喪失の痛みに顔を歪めた。そんな彼女を愛おしそうな目で見ると、淳哉は舌で千夏の唇をこじ開け、舌を入れながら唇を吸い続けた。
千夏の膣内は熱かった。肉棒を粘膜が包み込み、とろけてしまいそうな感触だった。興奮した淳哉は、激しくピストン運動を始めた。
「痛いっ!動かないで…」
千夏が悲鳴をあげた。
「淳哉、結合部分を皆様に見ていただきなさい。」
突然、旋太郎が新郎新婦にそう声をかけた。
「はい…」
そう答えると淳哉は一旦、ペニスを抜き、ベッドに腰掛けた。そして、千夏の身体を抱き起こし、後ろから抱きしめる形のまま引き寄せ、再び女陰を貫いた。
「ううっ!」
千夏は呻き声をあげたが、今度は最初ほどの痛みは感じなかった。
「おおっ!」
広間のあちこちで声が上がる。招待客の前に、座位でつながった二人の局部が露わになったのだ。
「いやっ!」
あまりの恥ずかしさに逃げ出そうとする千夏だったが、淳哉がしっかり抱きしめて離さない。
(すげえ…、はまってる、はまってるぞ!)
顔を突っ込みそうな勢いで川原が近づき、心の中でそう叫びながら、夢中でシャッターを切った。フラッシュが光る度に、千夏はギュッと切なく眉を歪めて追いつめられた表情になる。それが、川原の嗜虐心と興奮をかき立てた。