振り向けお前っ!14話〜揺らぐオモイ〜 -8
「・・・・・どうした?」
顔を覗き込んだ時。
愛華がはっと我に返る。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
目の前には悠太の顔。
「・・・・・き。」
「き?」
「きゃあぁ!」
「うわ!」
咄嗟に飛び退こうとしたが。
後ろに人がいるため出来ずに
慌ててしまう。
「ちょ、ちょっと、落ちつけ!」
悠太がそう言い聞かせると愛華はやっと落ち着きを取り戻し、はぁとため息をひとつ漏らす。
「どうした?」
「い、いえ、ちょっと考え事してたら、周りが見えてなかったみたいで。」
「あ!ご、ごめん、それで誰かの顔が目の前にあったら驚くよな普通・・。」
「・・・・・・」
そこから何も言い返せなくなる。
「ははっ。」
そして悠太が不意に笑い出す。
それを不思議に見ていた愛華に
「いや、俺はまだ笑えるんだなぁって。」
「え?」
「好きな娘を目の前に、あんなことして、それで気まずくならないで話せるんだからね。」
あんなこと・・・・それは多分告白のことを言ってるのだろう。
「あぁ、私この人の事やっぱり好きなんだ・・。」
小声で言うが周りが賑やかなため悠太には何を言っているか聞こえなかった。
「え?」
「い、いえ!何でもないですっ。」
そしてしばらくして、阿佐美たちがもどってくる。
「おい、何でお前ら別行動なはずなのに4人一緒なんだ?」
悠太と愛華以外の全員で。