振り向けお前っ!14話〜揺らぐオモイ〜 -10
「はい。」
はっきりとそう答えた。
阿佐美から見ても良い顔で。
「・・・・そっか、私負けちゃうのかなぁ。」
「あ、あの。」
言おうとしたら阿佐美が人差し指を立てて愛華の口元にあてる
「言わなくていーの。」
花火はまだ続いている・・・。
「なぁ悠太。」
「何だ?進一。」
「昔もよく見に来たよなぁこうやってさ。」
「ああ、阿佐美とお前とな。」
「だよなぁ、今まで思ってたけど、あいつ・・・女なんだよな。」
「はぁ?何いきなり言ってんだ?」
「別に、お前はさ、その・・・川谷のこと好きか?」
「どういう意味でだ?」
悠太たちもしばらくしてからいなくなったことに気づいて
そのうち戻ってくるだろうということで待っていた。
そこに進一がそんな話を持ちかけてきたのだ。
「素直な気持ちで、あいつを異性として・・・かな?」
「・・・・わからない。」
「そっか。」
進一は気づいていた。
阿佐美が悠太のことを好きなのを。
まだあんまり長くない付き合いだが、それでも身ぶり素振りそ見ているとなんとなくわかるのだ。
「お前は?」
「・・・・無理。」
「はは、そうか。」
「だってあいつは・・・・。」
「何だ?」
「なんでもない。」
「変な奴だな。」
「元からだろ?」
自覚してんのかと悠太は思った。
花火は終面と向かっていた。
悠太と進一の会話の後、しばらくして阿佐美たちが戻ってくる。