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エリザベス・悲劇の人形たち
【ファンタジー その他小説】

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エリザベス・悲劇の人形たちZ-2

 …単純バカ…

 呆れ顔で人形を見つめるグロリアス。

 相変わらずの自惚れさに開いた口も塞がらないけど、もう…何も言わないつもりである。

 夢の人形王国に行って新しい女王に就任する話しは勿論、真っ赤な嘘。

 エリザベスを北の魔界へ行かせる口実である。



 そして次の日…

 北の魔界から使いが訪れた。

 北の魔界全体を統括するブラスト魔王府の直属警察から、エリザベーラを迎えに来たのだ。

 既に、新女王様は出発の準備を済ませていた。

 フリルの付いたロングドレスに身を包み…

 首には真珠ネックレスを付け…

 頭には金色ティアラを付けたその姿は…

 何て美しいのだろう。

 今のエリザベスは女王様らしく、堂々した風格を持っている。

 胸に抱かれているキディも、エリザベーラママママとお揃いの格好。

 頭にはティアラの代わりに、可愛い花飾りを付けている。

 甘えっ子キディも、今日ばかりはレディ気分。

 人形部屋の家財道具が随行員たちによって次々と荷物運搬のトナカイロバ車に載せられる光景はまるで、引っ越しだ。

 エリザベスとキディはこの後、豪華な馬車に乗り込んでハーレス邸を出発した。

 黄昏時…

 北の大空へと去って行く一行をグロリアスは見送り続けた。

 さようなら、エリザベスとキディ。

 いつまでも、お元気でね。

 まあ、アナタたちは…

 地獄の日々を迎える事になるけど。


「行ったようね?」

 聞き覚えのある女性の声だ。

 背後から誰か、名前を呼んだ。

 振り向くと、そこにシェリーが立っていた。

「シェリー!」

 ルーシーがシェリーの所へ駆け寄った。

 ルーシーはシェリーの家で、子供人形たちと暮らしているのだ。


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