投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

エリザベス・悲劇の人形たち
【ファンタジー その他小説】

エリザベス・悲劇の人形たちの最初へ エリザベス・悲劇の人形たち 36 エリザベス・悲劇の人形たち 38 エリザベス・悲劇の人形たちの最後へ

エリザベス・悲劇の人形たちZ-3

「シェリー姉さん」

 しばし、グロリアスを見つめたシェリー。

 ジッと北の大空を見つめ始める。

「先に行った子供人形たちと、あの親子に待っているのは…闇の世界での苦しみみたいね」

 再び北の大空を見つめるグロリアス。

「しかも、永久に終わりの無い苦しみ。一度入ってしまえば、そこからは二度と抜け出せない」

「目的は達成したの?」

「目的って?」

「人形たちに対する今回のアンタの行動は、お姉さんの仕返しだけが理由じゃない。そうよね?」

「うん…まあ」

「その、もう1つの理由が知りたいわね」

「えっと…」

 シェリーからの質問に、グロリアスはエリザベスとの過去の経緯を話し聞かせた。


 高校生の頃だった。

 グロリアスは友達とよく、近所にある人形専門の孤児院に行ってボランティアをやっていた。

 施設の仕事を手伝う傍ら、子供人形たちと遊んだりしていたのだ。

 無邪気な子供人形と楽しく接して、グロリアスたちは充実した日々を過ごしていた。

 そんな時、等身大の1体の女性人形が孤児院へ連れて来られた。

 その人形はエリザベスだった。

 身よりがなく、街でさ迷っているところを警察に保護されたらしい。

 住む所も無いって言う理由からエリザベスは、孤児院で暮らす事になった。

 だが…

「あんな人形なんか、孤児院に入れるべきじゃなかった」と、後になって誰もが後悔した。

 エリザベスの孤児院内でのワガママぶりに、手を焼いたのである。

 子供人形たちと仲良くしようとしなかった事も問題視された。

 エリザベスは元女王様ぶりを発揮したのだ。

 子供人形たちはエリザベスに甘えたり、接して来たりしたけれど…

 エリザベスの方が敬遠していた。

 無視や、虐待行為を繰り返したのだった。

 そして最後には、子供人形たちを1体残らず踏み殺して施設から逃亡してしまった。


エリザベス・悲劇の人形たちの最初へ エリザベス・悲劇の人形たち 36 エリザベス・悲劇の人形たち 38 エリザベス・悲劇の人形たちの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前