Lesson xxx 〜later events〜-4
翌朝。
身体中に赤い印が刻まれた神崎は制服で隠しきれない部分を気にして頬を膨らませている。
「先生ってば…これはマズイって…」
どうにか隠れないかと鏡を見ながら制服をあっちこっち引っ張っている。
「俺のもんなんだからいいだろーが。嫌なら止めればよかったろ」
返事に詰まった神崎は小さく唸ると諦めたようにため息をついた。
そんな神崎の頭を引き寄せてこめかみにキスを落とす。
「…先生が私を好きなのはよーくわかったから。今度からは見えないとこだけにしてね」
反撃されて今度は俺が言葉に詰まる番だった。
こいつってホント油断ならねー。
おとなしく腕におさまってると思うと痛いとこ突いてくる。
無言でデコピンして、額を押さえる神崎に声をかける。
「遅刻すっだろーが。行くぞ」
「ハイハイ」
「今日も家に帰んなよ」
ぶーたれてた神崎の表情がパッと明るくなって大きく頷いた。
校内に入ればただの教師と生徒にならなきゃいけない。
でもだんだんそれが苦痛になっている自分がいて、いつか全部ぶちまけちまうんじゃ…と自分に自信がなくなってきている俺だった。