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桜色の約束
【学園物 官能小説】

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桜色の約束A-3

昨日の立ち位置まできた私は、そっと目を閉じた。


昨日と同じ香り…。
その空気を思い切り吸い込み、ゆっくりはきながら目をあける…




カ…オル……?





校門から桜の木へと、走ってくる彼の姿が見えた。


昨日の制服姿とは違って、ジーパンにTシャツという姿。髪はわずかに濡れていて、彼が私のもとへきた時には、清潔なシャンプーの香りがした。



「はぁっはぁっ。お待たせっ。セーンセっ」

昨日よりも少し無邪気な笑顔を見せ、彼は息を切らしながら言った。


私に会うために、走ってきてくれたのだろう。
とても愛おしく感じた。
そして感情を抑えきれず、思わず私は彼を抱きしめた。





「…ぁぃたかったよぅ」
声にならない声で、伝えた。一日中心の中に閉じ込めていた言葉を。



すると彼も、
「うん。俺も会いたかったよ」
そう言いながら、私を抱きしめ返してくれた。


そして、どちらからともなく、そっと唇が重なる。
今日は、昨日とは違って、お互いを求め合う激しいキス。カオルの中は爽やかなミントの香りがする。

あぁ…いい香り。




もっと…もっとあなたが欲しいわ……。





しばらくの間私たちは、誰もいない校庭で、愛のキスを交わしていた。





――約束を果たした二人を優しく祝福してくれるかのように、桜の花びらは二人の頭上を舞った。


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