冷たい指・女教師小泉怜香C-6
『………な…何?……まさか……今ここで?』
そう思った瞬間、腕を強く引き寄せられ、首筋に唇を押し当てられる。
「……!……」
背後にあった事務机に浅く腰掛けるような格好で、私は身動きが取れなくなった。
首筋を優しく舐める亮の舌。
強力な電流を流されたような快感が脳天を突き抜ける。
白衣のボタンを外され、ウエストから背中に回された亮の手の平が、シャツの下に素早く潜り込んできた。
「……あっ…んっ……」
相変わらず慣れた手つき。
あっけなくブラのホックが外される。
締め付けを失った乳房がふるりと解放され、あらわになった背中をゆっくりと五本の指でなぞられると、触れられた部分がカアッと熱を帯び、意識が飛びそうなくらい全身が歓喜した。
まだ背中にしか触れられていないのに、私の身体は魔法がかかったかのようにドッと潤みはじめる。
ずっと待ち望んでいた亮の冷たい指―――。
『………亮っ……』
私は一瞬我を忘れてその痺れるような快楽に身を任せた。
柔らかく湿った舌は、音も立てずに首筋から耳の裏に向かってゆっくりと移動していく。
声が出そうになるのを見透かしたように、亮が長く冷たい指を私の口の中にヌルリと挿入してきた。
舌の上をいやらしく蠢く亮の指先。
電車の中で彼に痴漢行為をされた時の記憶が鮮明に蘇る。
下半身を巧みな指先でまさぐられながら、亮の指を夢中でくわえ込んで、襲い掛かってくる快楽を必死でこらえていたあのめくるめくような時間。
あの時と同じように声を出せない状況の中、私は亮の愛撫にズルズルと引きずり込まれていく自分を感じていた。
『――――ダメ!』
私の中の理性が、必死で快楽を振り切ろうともがいている。
ここは学校の中で、しかも衝立の向こうには亮のクラスメートがいるのだ。
このまま行為を続ければ、気付かれずに済むとはとても思えない。