エリザベス・悲劇の人形たちX-6
キディは母親の懐で…
他の子供人形たちは温かいベッドに入って夢の世界である。
一方のルルだけは…
暗い夜の下、冷たい風が吹く川の岩場で1人ぼっちになっている。
大きな岩に落下したから、体はバラバラに砕け散ってしまっていた。
「ミャ…ミャ…」
開いたままの目から涙が溢れていた。
真夜中…
ピンポーン♪
グロリアスは玄関の扉を開けた。
「いらっしゃい、待っていたわよ」
そこにいたのはフード付きの防寒着を着た3人の怪しげな人物。
フードを脱ぐと、大きな1つ目の奇怪な顔が現れた。
北の魔界に住むブラスト族の魔人で、グロリアスとは顔見知りのブルーレッドだ。
開口一番…
「子供人形を、引き取りに来たぜ。準備出来てるだろうな?」
「オッケー、準備出来てるわよ。子供たちは今、ぐっすり寝ているから」
「よっしゃあ。バズー、ランド、ケースを運びだせ!」
「へーい!」
さっそく、後方にいた2人が人形部屋に向かった。
クゥー、クゥー
ぐっすり寝ている子供人形たち。
一度眠りに入ったら、簡単には起きないのだ。
バズーとランドはすぐに、ケースベッドの扉をバタバタと閉めた。
手際良く扉の鍵を施錠し、ケース全体にロープを掛ける。
荷造りの準備が完了すると、2人はケースを抱え上げた
28体の子供人形たちが、ケースごと屋敷から運び出されて行く。
グロリアスは、ただただ作業見守るだけ。
ブルーレッドに話しかける。
「なるべく、高い値で買って欲しいわネェ。
このチビたちを注文した時、全部合わせて…
300万はしたんだから」
「どのくらい値が付くかは、この俺様が決める」
「期待しているわブルーレッド」
続く