さよならのラララ-5
「な……んで、そんな笑ってるのぉっ……」
「んー?だって、すげー楽しいんだもん」
「だもん、じゃないっ……ぁああっ、ぁっ」
「ふっ……なー、もえこ」
「……んあっ、ぁあ、……な、にぃ」
億劫そうに声をだすもえこに、俺は満面の笑みを浮かべてみせる。
「すっごい、可愛いよ」
もえこは一瞬、悪魔を見たかのような表情を浮かべて、それからすぐにぐにゃりと顔を崩した。今にも泣き出しそうに下がる眉と、その下の瞳。あー、うん、いいなあ、その顔。『いつも強気なもえこ』の情けない顔を見ると、俺は嬉しくて嬉しくて仕方ないのだ。その顔をさせているのが自分だと思えば、嬉しさは限りない。
「さいあくだ……けーたくん、さいあ、くぅ……んんっ」
憎々しげに呟くもえこの唇をとりあえずキスでふさいでおく。そうしてさっきまで舐めていた部分を今度は指で探る。ぬるついた穴のあたりをするすると滑らせて、その感触を楽しんだ。間近にあるもえこの顔は見えないけれど、多分怒ってるんだろうなと思った。
しばらく楽しんでから、俺は一旦指を止めて唇を離してやった。少し距離をとって見下ろせばもえこは案の定、ふくれっ面をしている。
「……セックスが、こんなんだと思わなかった」
「こんなん、って?」
「悔しくて、苦しくて、もどかしくて、苛々する!」
「ふうん?」
まだもってそんなことを言うもえこに、かちんときた。少しイジメてやりたくなる。
俺はもえこの足の付け根、その入り口の少し上、ぷくりと膨れた突起をぬるついた指で撫でる。
「!ふ、ぁああっ」
「で?」
「あ、あ、ぁああ、や、め……んぁ、ああっ」
「苛々する、けど?」
「やだっ……ぁ、や、ん、んんんーっ!」
「こら、口塞ぐなって。言えよ、『けど』?」
くるくると突起の上で円を描くように指を動かしていく。言葉と一緒に指の責めも激しくする。ほら、聞こえるんだろ、ぐちゅぐちゅうるさい水音。その音がなんて言ってるか、わからないはずがない。
「……もえこ、言って」
促す俺に、もえこはぎゅうっと瞑っていた目をうっすら開く。俺は、多分、笑っているんだろう。それも酷くイジワルに。だからかどうか、もえこは悔しそうにぎゅっと眉をよせた。
「ふあ、ぁあっ……き、もち、いぃのぉっ……!あああっ!!」
びくん、とその細い体が飛び上がった。