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さよならのラララ
【その他 官能小説】

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さよならのラララ-9

「すっごい、ねえ……」

「……ん?」


 ふうふうと苦しげに息をもらしながら、ぼんやりとした表情のもえこが呟いた。


「この為に、もえこには穴があいて、たんだねえ……そっかぁ……けーたくんの為にあいていたの、かぁ……」


 その言葉に喜べばいいのか泣けばいいのかわからず、ただ俺はこんなときくらいと心を決めて、世にも恥ずかしいセリフを口にすることに決める。


「俺ともえこは、一つになるために生まれてきたんだろうな」



 もえこは一瞬きょとんとして、その後、とても楽しげに笑った。頬を雫に濡らしたままに、とてもとても幸せそうに笑った。そうして、そっか、と何かすっきりした顔で、



「生まれてきて、よかったぁ」





 あと何度「また」があるのだろうか。二人でいられる明日はいつまで続くのだろうか。どうして生まれたのに死ななくてはならないんだろうか。そんなこと思ってしまうほどに他人を愛してしまうのは、どうしてなのだろうか。
 わからないことだらけの中で、だけど俺も、もえこも「今」生きていて、そうして今日も確かめるようにぎゅうと抱きしめあっていたりして。


 さよならを告げる音楽が聞こえる。それに知らないフリをして、俺たちは唇を重ねる。


 さよならのラララ。それにのせて囁く、またねの言葉。
 嘘が嫌いな彼女が最後の最後に嘘をつく日は、いつだろうか。





 その日がどうか、少しでも遠くありますように。


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