さよならのラララ-2
「ほんとにやんの?」
もえこの体調だとか、初めては痛いに決まってるとか、野外であるとか、相手が俺でいいのかとか、正直不安に思う要素が多くてついもらしてしまった。
もえこは俺の言葉に、不満もあらわに眉をよせる。
「いまさらびびってるのか」
「ちげーよ」
「だったらそんなこというな。冗談でえっちしようなんて言えるほど、わたしはフシダラな女じゃないぞう」
真剣な表情から見ても、どうやら本気らしい。どういいくるめようとしてもこうなったら聞かないだろう。
頑固なのだ。あと、人の話を聞かない。行動力はそんなにないが、思考の飛躍っぷりには舌を巻く。思いついたことを考えて、考えて、考えつくして、よしやるぞと決めたら必ずやる。
面倒くさくて非常にやっかい。まったくもって手に負えない女だ。
だけど、だから、俺はこいつが気になって仕方がない。
「いいよいいよ、そんなに嫌なんだったら他のひとに頼むも……」
「馬鹿言うなよ」
そんなこと、死んでも許さない。って、冗談にもなりやしない。
不機嫌そうにそっぽを向くもえこの肩をつかんで乱暴に振り向かせる。堅くひき結ばれた唇を崩してやろうと思ってどう猛に口付けた。
かみつくようなキス。
突然の俺の攻勢に驚いてゆるく開くその入り口を、さらにこじあけるように舌をいれた。傾きをきつくして深く、深く舌を差し入れて、舐めて、探って、絡め取る。戸惑ったように揺れながらも、俺の動きに応えるもえこが可愛いと思った。それと同時に、もっともっといじめてやりたい気持ちがわいた。
「ふ……っぅう……ん……!」
鼻にかかった甘い声がもえこから漏れる。こいつが意図したところはわからないが、その甘さが俺を余計に煽る。ばーか、っていってやりたい。つっこんでだすだけがセックスじゃねえんだよ。ばか。
「ん……」
たっぷり時間をかけてもえこの唇を食べ尽くして、ゆっくり離した。透明な液体が名残惜しげに糸をひく。濡れて潤んだ薄桃色のそれが異常にやらしい。……ああもう、そういうぽやっとした目でこっちを見るな。口を半開きのままにするな。
くそ、むらむらしてきた。
「けーたくん、すごい」
「……なにが」
唇を濡らしたまま拭き取ることもしないでもえこがぼんやり呟く。