女神ラブロリーナ2-4
「メルカも、見た事あるのかな?」
「何をですかぁ?」
「この教会に現れる幽霊ってヤツ」
「いえ、私はないですけどぉ。結構、怖い幽霊なんでしょう?」
「怖い幽霊?」
さっきから何者かが、オレたちの会話を物陰から聞いていた。
オレもメルカも、その存在に気付いていない。
「凄く背が高くて、牛と悪魔を足して2で割ったような大きな化け物」
「化け物?」
ラルフさん、そんな事は言ってなかったけど。
「しかも、私たちのような女を食べるんですよネェ」
そんな事も言っていない。
苦笑いするオレ。
「だ、誰から聞いた?」
「マーレット聖導士様がそう、仰っていました」
「なるほど」
「ケーンさんも気を付けて下さいネェ?」
「うん、そうだね」
オレは首をかしげながら、メルカと別れた。
教会に現れる幽霊女ってどんなヤツ何だろう?
マリア様みたいな姿…
牛と悪魔を足して2で割ったような化け物…
幽霊女は1人じゃないのかな?
まあ、そんな事どうだってイイ。
そんなヤツらと遭遇したら、一目散に逃げりゃあイイんだから。
オレはそう思いながら、本館を出た。
裏の駐車場へ来た時だった。
「背の高い、化け物幽霊女か」と、独り言を言いながらオレは車に乗ろうとした。
すると、背後から女性の声がした。
「失礼だわ、私を化け物扱いするなんて」
「誰?」
振り返ると、やたらデカい女の姿が目に飛び込んだ。
年の頃から20代前半だろうか?
随分と綺麗な若い女性だ。