クリスマスの幻惑 -4
「あっ、あっ、ああっ」手がすがりつくものを求めて、空を彷徨った。だが何にも触れられず、詩織は自分で自分の太腿の内側に手を起き、大きく押し広げた。男がかすかに笑った。
「こうして欲しいんだね」男は足を持ち上げ、尻を大きく開かせ指と舌で責めた。
妄想の中で何度も思い描いてきた快感に詩織は堪えきれずに声をあげてのけぞり、イヤイヤするように頭を振り顔に掛かった髪を振りほどいた。絶え間ない刺激でぼんやりしてきた脳裏で気付いた。こんなのが夢なわけない。目が覚めると急速に現実味が霧散する夢、そんなふうにはもう思えない。これは犯される夢なんかじゃない。私は誰かに犯されている。
だがもう抵抗することはできなかった。
詩織は見えない男に抱かれながら、今まで感じる事を拒んできた一人で慰めてきた痛みを感じた。一人でやったときの冷え切った空っぽのセックス。中身のまるでないH。男の熱い息と見えない掌から、ずっしりとした体の重みから燃えるような熱を受けて、詩織は体の芯まで溺れていた。このままずっと溺れていたい。ただそう願った。
しばらくすると熱いものが詩織の太ももの内側を突いた。
「あぁ、ダメ」詩織は戦慄きながら呟いたが、疼きにどうしようもなく自分の太腿を撫で擦り、茂みの中のヒダをヒクつかせて男を求めた。身体はぱっくりと口を開き、中から溢れてきたものが茂みの間から滴り落ち、尻の割れ目がべたべたしてくるのを感じて詩織は更に男を求めた。
「いい子だね。ほんとに詩織は可愛いね」男はそれを詩織の入り口にあてがうと、それを根元まで一気に埋めた。
詩織は息を止め硬直し、身体の中に入った男を締め付けた。ジムで鍛え上げた尻にぐっと力を込めて締め付けると、男がもっと大きくなり詩織の中を圧迫して詩織の腰が跳ね上がった。男が入り口まで抜くと身体の中から溢れた液体が音を立て掻き出され滴り落ち、再び奥まで突き入れ子宮まで到達すると、詩織は息を吐き喘いだ。
その感触は詩織が夜の来るたびに、自分でしてきた感覚とは全く違った。詩織はあまりのリアルさにもう一度、目を開け、どんな男が自分の上に覆い被さっているかを確かめた。だが誰も見えなかった。パジャマがはだけ、剥き出しの盛り上がった乳房と固く尖った乳首、平らで引き締まった腹の向こうに見えない男を受け入れるために大きく広げた両脚が見えるだけ。だが確かに男の重さと乳房を包み込む掌を感じ、容赦なく中を突き上げるモノは恐ろしく硬く、強く膣を擦りあげた。乳房がぎゅっとつかまれる感触があり詩織の見ている間に、剥き出しの乳房が盛り上がり、その頂上で乳首が弾けんばかりに震えた。乳房の盛り上がり始めたところに指で押したように5つ窪みがあった。次いで両方の乳房が見えない手で激しく揉まれて全身が上下に揺さぶられた。恐怖もあったが身体が反応してしまうのはどうしようもなかった。男のモノに擦り上げられ子宮にあたる感触、わずかな痛みと強烈な悦びに、詩織はなすすべも無く息を止め全力疾走をしたかのように激しく息を継いだ。男は乳房から手を放し、詩織の腰をしっかりと掴み激しく奥へ奥へと突き進む。詩織はシーツを掴み、背中の筋肉を弓形に反らせた。汗が腹筋の上を幾筋も滴り落ち、詩織の意識は真っ白な無に吸い込まれていった。