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クリスマスの幻惑 
【ホラー 官能小説】

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クリスマスの幻惑 -1

ホワイトクリスマスには到底なりそうではなかった。外は雲が薄氷のようにかかり日差しをさえぎっていた。1年で1番、陰気で憂鬱な日だった。サンタクロースだってこんな日は外出を控えたいに違いない。

とはいえクリスマス・イブなのだから詩織は腕を振るってご馳走を1人前作った。来月には37歳の誕生日が来る。20代ではそれなりに彼氏がいないことやセックスの経験が無い事を焦ったりしたものだった。だがそれも35才まで。その後は結婚に出産という人生のエレベーターに乗り遅れたような気分は朝日に照らされた霧のように消えて、独り者でいることが大した事でないと思える。友人のほとんど全員は適齢期に適当な男と結婚した。こんな不況のご時世に子供を作った、詩織が一応友人と呼んでいる彼女達は、どんなに高級な化粧品を使っても目の下のくまとたるみは隠しようが無かった。夫たちは見るに耐えない姿になるか、別な若くて張りのある女と遊んでいる。そんな彼女達を見るたびに哀れに思えてきて仕方なかった。



それに比べて自分には建築設計士という責任とやりがいのある仕事を持ち、しかも扱うのは個人の住宅のようなちゃちな物件ではない。ホテルやショッピングセンターのような建築物だ。そしてお金にも不自由はしていない。引っ越して1週間しか経っていないマンションは通勤に便利で広々としている。片付けても片付けても部屋を荒らして回る竜巻のような子供がいないから、床は清潔でしっとりと輝きじゅうたんはふかふかのまま。週に3日はエクササイズに通っている詩織の身体の線は20代のままである。人生を満喫している。何にも不自由はしていない。



だがクリスマス・イブだけは別だった。町並みに恋人同士が溢れているせいなのか、満足の中に鈍いさびのような痛みが浮いてくる。限られた予算で買い物を楽しもうとしている人々をひそかに蔑みながら、その蔑みが羨みの裏返しだということに気付いていた。彼らはささやかな食事を楽しみ、ベッドに入りセックスを楽しむ。つまらない生活でもとりあえず相手だけいる。せめて今夜くらいは誰かいてくれたら完璧なのに。詩織は溜息をついた。恋人でなくていい。愛してくれなくてもいい。ただ一晩、特別な彼が私のそばに寄り添って、私を女として悦ばせてくれたらいいのに。



もちろん詩織がその気になれば、会社にも取引先やお客にも、喜んで詩織と一晩を共にするものがいただろう。事実、詩織を誘ってくる男は35を過ぎた今でも何人かいる。だが人一倍成功した詩織は、その辺の男を自分のはじめての男にする事が許せなかった。だから詩織は誰もが経験している事を知らずに、悶々と膝を抱えて下腹の熊が諦めて眠ってしまうのを待っている。もしくは通販で買った一人用セックスのバイブで自分をイカせるかだ。



詩織は去年のクリスマスの失敗を思い出し、一気にグラスのワインをあけた。去年も淋しさを紛らわせるためにワインを一人で空け、その勢いとアルコールの効き目で下腹の熊がゆったり目を覚ました。しばらくは服の上から自分の指で触れ、ゆっくりと円を描きながら体を擦った。そのうちショーツの横から指が滑り込み、スリットのように閉じていた部分をなぞると指が中に滑り込んだ。そのまま溢れだしたものを掻き混ぜ、すくい、自分自身を指で広げ敏感なところになすりつけ、ほんの2,3回擦っただけで、詩織の理性は蒸発してしまった。



詩織は全裸で冷たい窓に体を押し付けた。形のいい乳房がガラスに押し付けられてつぶれ、凍りつく無機質なガラスの感触に乳首が固く尖った。詩織がいつも思い描いている男がうしろから掌をすべりこませ乳房を包み込み揉み上げ乳首を指で挟む。首筋に激しいキスを降らせ、唇がそのまま首筋から上っていき舌と舌が絡み合う。男の大きくて熱い手のひらが乳房から名残惜しそうに離れ、下腹をさすり、茂みをかき分け敏感なところに触れる。そして擦って擦って脚の間に火が付きガクガクし立っていられないほどになると、詩織はそのまま床に崩れ落た。男の手のひらが詩織の尻をつかみ痛みが走るほど押し広げた。むきだしになった茂みの中をかき分け太くて器用な指が沈み、中を掻き回し子宮の入り口を探って、詩織は思わず声を上げた。しばらくすると男は詩織の尻を抱え上げ、詩織は尻を突き出して彼が自分の子宮まで一気にペ○スを叩き込むのを待っている。出して……入れて……出して……入れて……もっと……もっと……。


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