けんぽなし〜カット〜-7
ー………
「同じなんだ…あいつらから見れば…」
ドクンっー…
それは、初めて見る空の顔…
寂しい…
悲しい…
やりきれない…
悔しい…
何だろう…
言葉にしたら薄っぺらで、どれも当てはまらない…
「っ、それにしてもお前足遅すぎだろっ!!貧乳のクセにっ」
!!っっー
ーなっっ!!…
「行くぞチビっ」
ーなっっ!!…
ピーポー…
!!っー
砦を乗せたであろう救急車が、走り出した音が遠ざかる…
ー…砦…
私はポケットのどんぐりを握る…
「おいっ、チビっ、俺がやったどんぐり、大事にしてるんだろうな?」
「は…?…」
「俺様があげたどんぐりだ、大事にしてないと許さねーからな!!」
ーはぁ!?…
空は私の頭を、ぐしゃぐしゃとかき乱すと、意地悪く微笑んだ…