投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

けんぽなし
【その他 恋愛小説】

けんぽなしの最初へ けんぽなし 22 けんぽなし 24 けんぽなしの最後へ

けんぽなし〜カット〜-6

「キャーッ!!泥棒ーっ!!」
その時、後ろから女の人の叫ぶ声がした。

!!ーえっ……

犯人らしき2人乗りの原付バイクが、こっちに走ってくる…

私達と同じ歳くらいの男子が2人……

顔を隠してはいるが…運転している人の目に見覚えがある…

間違いない…

そう…

砦だ………

私はあまりの出来事に固まるしか術がなく…

ドンっー
ガシャーンっー
バンっー
ドカーンっー

色んな音がして、私は我に返った…

バイクは倒れてかなり遠くで横たわり、運転手はうずくまり、後ろに乗っていた男もバイクの先まで飛ばされていた。

目の前の出来事を理解するのに、私は数秒かかった。

路地裏からゴミバケツを投げつけていたのだ…

空が…



救急車とパトカーの音が、けたたましく鳴り響く…

原付バイクの後ろに乗っていた男は、よろけながらも振り返る事なくその場から去って行った。

残された砦…

立ち上がろうとした。その時、空が馬乗りになる。

「お前はそれだけの事をしたんだよっ!!いい加減気づけっ!!」

砦へそう言い放った空は、私の手を取り、走り出した。

ーえ?ちょっ、ちょっ、ちょっと…

「…っ…も……っ……めっ……」

息も絶え絶え…私が座り込んだのは、人集りからは遠く離れた場所だった。

「…っんで…っ……何で、砦っ…置いてきたの?…」

私は、整わない息の元でどうにか空に訴えた。

「…俺らだってやべーからだよ」
「え……」
「同じなんだよっ大人達の目には俺らも一緒に見えるんだよ!!とばっちりはごめんだっ」


けんぽなしの最初へ けんぽなし 22 けんぽなし 24 けんぽなしの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前