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けんぽなし
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けんぽなし〜カット〜-5

「っー…」

自分の気持ちを上手く言葉に出来ない自分に腹が立つ…

「はいはい、そこまでっそこまで」

そう言って私達の間に入って来たのは…
空だった…

ー………なん……

安心したのか、空の姿を見た瞬間…
私は、涙がこぼれた。

「難しいんだよっお前らの話はっ!!ようするにだ!!心配なんだよ、絵梨沙がっ!!」

!!っー

そうだ…それだ…

こんなに簡単なのに…

こんなに単純なのに…

考え出すと、途端に難しくなってしまう…

「ったく、絵梨沙の心配よりその貧乳の心配しろよ」
空は私の両頬に手を押し当て、顔を思いっきり潰した。
「なっ…最低ー…」
「瑞希って、変わらないね…そのメソメソ泣く姿、いつもイライラしてた…」
絵梨沙が、空越に私をまっすぐ見据えて言った。

ーえ……

「けど…本当は…うらやましかったの……うらやましい…私は、素直に泣けないから…」

そう言って私達に背を向けて歩き出す絵梨沙…

「…ーっ、私のメルアドと番号!!」
私は絵梨沙に駆け寄り、紙切れを渡した。

本当は、円と来たあの日に…渡そうと思っていたものだ…

「…ばーかっ」

そう言って絵梨沙は笑いながら紙をポケットに突っ込むと、走り去って行った…

絵梨沙を見送った私達は太一の家に向かうことにした。

ー……き…気まずい…気まずいっ、とっても!!

なぜか無言の空、その間には何とも不気味な空気が流れていて、息苦しくて…たまらずに私は口を開いた。

「…な…何で…ここにいるの?」
ーうぅっ…早くしゃべってよ〜…
「………耕太郎から電話があってさ…」
ーえ…
ドキっ…

「お前が…学校来てないから、心配だって…」
「へ…ヘェー」

ー…こ…耕太郎が……
私の心拍数は一気に上がった。

「円に言ったら…絵梨沙の病院だろ、て…ったく、1人で行く必要ねーだろっチビっ」

ーうっ…

空の言葉で私の上がったテンションは、急降下だ…


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