冷たい指・女教師小泉怜香 B-5
薄いレースのカーテンから、昼下がりのやわらかな陽射しがリノリウムの床にけだるく差し込んでいる。
私は、たった今亮が指先で弄っていた蛍光ペンを手に取っていた。
亮が触っていたというだけで、そのグレーの文房具がひどく卑猥な玩具のように感じられる。
私は再び目をつむって、丸みを帯びたキャップの先端をブラウスのボタンの隙間から胸元に差し入れた。
ひんやりとした異物感が胸の膨らみを撫でると、まるで亮自身に触れられたような感じがして、全身に鳥肌がたつ。
「………あ……んんっ…」
快楽にまかせて、私はペンで乳首のあたりを下から上へなぞりあげた。
「……あっ…ああっ……」
「お弁当を作りたい」というささいな願望を亮にあっさり拒絶されたせいで、今日の私は少し冷静さを失っている。
何年も教師をしているけれど、学校の中で自慰行為をしたことは今まで一度もない。
しかし、彼との唯一の交わりの記憶が染み付いたこの保健室は、今の私にとっては一番生々しく性欲を掻き立てられる場所になっていた。
鍵のかかっていない授業中の保健室。いつ誰が入ってきてもおかしくない状況。
いけないと思いながらも私はその卑猥な行為を止めることが出来なくなっていた。
ブラの内側でペンを激しく動かしながら、脚を広げてもう一方の手でスカートをゆっくりとまくりあげていく。
「……ん…ああっ……」
明るい保健室の中で下半身があらわになった瞬間、痺れるような背徳感が肉体を貫いた。
「……ああっ……恥ずかしい…っ……」
私は椅子からずり落ちるように床に膝立ちになり、机にすがりつきながらパンストを夢中で太腿までひきずり下ろした。
下着の上から股間を指でまさぐると、クロッチがはしたない粘液でぬるぬるになっているのがわかった。
更に深い快感を求めて膣内の肉壁がキュウキュウと収縮する。
私は乳首に這わせていたペンを抜きとると、今度はそれでパンティの上をなぞり始めた。
亮が下着の上から私の濡れ具合を確かめる場面を妄想する。
『……センセー……そんなに俺が欲しいの……?』
あの独特の低い声で囁かれながら、冷たい指先で濡れた窪みを何度もなぞられ、私は羞恥と快楽に身体を震わせるのだ。