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旅立ち
【フェチ/マニア 官能小説】

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旅立ち-4

 もうK子達の卒業が間近に迫っていた。「F先生、いろいろお世話になりました。先生とこの保健室がなかったら、今の私はないです」「そうね、でもあなたがこの学校の校風を変えたとも言えるのよ」「私はみんな好きですよ、A先生も、他の先生方も。みんな私たちを愛してくれたし、ただその表現方法がいろいろ違っただけじゃないかと、今は思うんです」「W先生も変わったわ。この学校はもっともっとよくなるよ。ありがとね」。
 ただA先生だけは、一人浮かない顔だった。「俺は生徒を叩いちまったからなあ。それも道具を使うならともかく、女子生徒のお尻に平手打ちなんてセクハラそのものだって、W先生にも大見得切っちゃったしなあ」「アハハ、まだ気にしてるの? K子ちゃんのためにはあれでよかったのよ」「そうか、F先生は体罰肯定派だったんだな」「そうよ、良薬口に苦しよ。A先生はいい処方したよ」。  
 私は高校の思い出話をA先生に始めた。「私はいまの校長先生にお仕置きされて育てられたの」「校長に?」「うん、学年主任とか生活指導とか、いろいろお世話になりました」「聞きました。文化祭の打ち上げに酒盛りやったとか、渾名が遅刻の女王だったとか」「校長先生は竹のムチ持ってて、私が悪戯とかすると決まっていつもそれでお尻を。叩かれるとピチッとか音がするのよ。イヤだったあ。でもよかったの。矛盾してるけど、K子ちゃんの気持ちが何だかわかるなあ」「女心は難しいですね」「いやいや、A先生は隅に置けない。K子ちゃんの心をしっかりつかんじゃったからね」。

 卒業の感傷に浸る間もなく、来月には新入生がやってくる。今度はどんな生徒が保健室を訪れるのだろうか、私たちももっともっと処方箋を増やしていかないといけない。


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