エリザベス・悲劇の人形たちT-3
子供人形たちがゆっくりと、目を開けた。
歌が終わると、子供人形たちはムックリと起きて辺りをキョロキョロ。
パッチリとしたつぶらな瞳が印象的だ。
「ワタシノ、カワイイ、コドモタチ」
エリザベスが声をかけると、子供人形たちの視線がママに集中する。
目をパチクリさせながら、ジッとママを…。
「…」
エリザベスママは両手広げて…
「ワタシハ、ママ」
「?」
「ワタシハ、ママ」
「…」
「ママ、ママ」
すると…
子供人形たちはエリザベスを母親だと認識したのか、表情を見せた。
「ミャミャー! ミャミャー!」
OU! 可愛い声!
「ハジメマシテーッ!
ワタシハ、ママヨ!」
エリザベスは終始、笑顔笑顔である。
「ミャミャー!」
両手広げながら、ピョンピョン飛び跳ねる子供人形たち。
エリザベスママは子供人形たちをしっかりと、抱擁し始める。
「ワタシノ、コドモタチ! カワイイカワイイ、カワイイ!」
「準備出来たわよ、子供たちを部屋に連れて行きなさーい」
マルセルに促されるようにして、エリザベスは子供人形たちを床に置いた。
「ミンナ、ママト、オヘヤ二、ユキマショウ!」
「ミャーイ!」
「ミンナ、ナランデ、コウシンヨ!」
子供たちは1列縦隊に並ぶと、元気良く行進しながら人形部屋へ。
中に入ると、子供人形たちは目を輝かせながら、辺りを見回した。