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キミに不時着する日
【幼馴染 恋愛小説】

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片割れハートがぐるりと回る-6

ユキ、が、


「サク」


つかつかと早足で私に近寄る。その腕が椅子をぐるんと回して、私は体ごとユキの方を見る形になった。正座をしたままの私を見下ろす立ったままのユキ。その手のひらが私の顔を捕らえる。近づいてくるユキの瞳がゆっくり閉じるのを、呆然と見ていた。

冷たい唇が、





「……お前ね、もうちょっと遠慮とかないわけ」

「ない」

「だいたいなんだよ、抜け駆けか」

「早い者勝ち」

「あのなあ……」

「あと、先手必勝」

「……あんまり大人をなめんなよ?」

「なめてないけど、ね」


そういいながら無表情のままぺろりと舌をだす、ユキちゃん。ああ、なんか、いつもの顔だ。





頭の中、まっしろ。





さっきのは何だったんだろう。
あれ、誰だった?あの、やけに鋭く、まっすぐ、真剣に、ぱっちり開いた目で私を見ていたのは、私を捕らえたのは、誰だった?まさか今目の前でもう何事もなかったかのような顔をしているまいたけでは、あるまいな?

あんなひと知らない。
知らない、知らないぞ!?



「な」

「な?」

「なななななななな」

「サク、それなんの歌」

「歌じゃないし!ってか、なに、なんなの、二人して、特に右の雪国!!いま、わた、わたしにちゅうとか、しませんでした!?」

「した」


しれっといいやがった……!


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