キミに不時着する日-7
「ちょ、知ってるんじゃない。てかなんで知ってるの」
「ボクの記憶違いでなければ、サクの口から聞いたと思うけど」
「はっはっはそうだね大概のことは話しているもんねはっはっは!」
「まるで、通販で買った服を返品する理由のようだよね」
「うまいこというね!」
でも今そんなうまいこという必要は無いと思う。ハーーートブレイク!
「だから、それなんじゃないの」
「なに」
ユキは真っ黒な前髪のすぐ下のぱっちりした目で、じっと私を見た。
「サクは、目標も決めずに離陸して、どんなところかもわからないまま着陸するから」
そして、意味のわからないことを言った。
「なに……ポエム?」
「ちがう。サクは、カレシカノジョの関係になるのに、恋愛感情よりも彼氏欲しい欲求が先行してる、ってこと」
「う」
「で、相手のオトコがどんなかもわからないままに、なんとなく良さそうだって判断したらとりあえず付き合ってみる。だから、『思ったのと違った』って結果になるんだよ。相手も、サクも」
「ううう」
あまりにももっともな意見すぎて、なにも、いえねえ……!