「午後の人妻 童貞嫐りB」-5
その感触が、
少年の官能を、
妄りがわしく炙りたてるのだった。
いかにも童貞であることを白状しているような彼の振る舞いを、
彼女は好ましい思いで眺めた。
亨が由子とシフトを組んで働くようになったとき、自分より16歳も年上の人妻を、女と意識して見ていなかったはずである。
それが由子の積極的なスキンシップ攻勢により、
いまでははっきり女として、
それもセックスの対象の女として意識するようになっていた。
ただ、由子に女を意識し渇望(かつぼう)するようになりながらも、
童貞少年のほうから年上の人妻を誘うことなど、
思いもよらないようだった。
店にふたりだけでいるとき、由子がふっと視線を感じて見ると、こちらを見ている亨の視線と合うことがあった。
それも由子には不快ではなかった。
亨の視線を浴びるたびに、
彼は私の裸身を想像したり、
私との交情の様子を想像しているのかと思うと、
背中にゾクゾクするものが走るのだった。
そして、
由子の思いは、
彼と肌を重ね合わせて、
その筆をおろしてやり、
自分の身体で男にしてあげたいという、
希求を強くしていくのだった。
ふたりでシフトを組んで店に立つようになって、もう2週間以上になっていた。
そろそろ彼に誘いをかけてもいい時期にきているようであった。
由子はそのコンビニで、毎日働いているわけではなかった。
働いている時間も、原則的に午後1時から5時までだが、ほかの人の都合やシフトのやりくりなどでずれることもあった。
それは亨も同じで、彼は午後4時から7時までの勤務が原則だったが、ときには変更になった。
その日、由子と亨はシフトの変更で、同じ5時に上がることになった。
由子はチャンスの到来を感じた。
彼女は5時に仕事を上がると、急いで帰り支度をして、通用口の表で亨の出てくるのを待った。
しばらくして、勢いよくドアを開けて亨が出てきた。
彼はそこに待っている由子の姿を認めて、少し驚いた表情を見せた。
「亨クンのことを待っていたの。
たまにはいっしょに帰ろう」
「……」
笑みを浮かべながら誘う由子に、亨は精悍な顔に戸惑いと羞ずかしげな色を浮かべて俯(うつむ)いた。
「こんなオバさんといっしょに歩くのはイヤかな?」
「……いや……」
消え入りそうな小さな声だったが、いっしょに歩くのをイヤがってはいない様子である。