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希望の愛
【二次創作 恋愛小説】

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希望の愛-3

そして、ついに部活が始まった。僕は陸上部に入部した。特に理由はなかったが、長距離にはけっこう自信があったのでとりあえず入った。まず部長が自己紹介をし、新入りが自己紹介をした。先輩たちはみな接しやすかった。初日ということもあり、軽く走っただけで、上がりだった。
更衣室で着替えて校門を出ると後ろから先輩に呼ばれた。
「おう、お疲れさん」
「あ、今日はありがとうございまし。米沢先輩」
「お、感心だな。もう名前覚えてくれたのか」
「はい、先輩はとても速かったので」
米沢先輩は同じ長距離の専門で群を抜いて速かったので、強烈なインパクトがあった。それにかなりかっこよかった。
「よせよ、照れるな」


先輩とは話が合い、すぐに僕の家までついた。
「僕はここなので」
「え!?でっけぇ家!」 「いや……ルームシェアしてるんですよ……」
「ルームシェア!?お前すごいな……。大変だろ?」「それなりに楽しいですよ」
僕は小嶋さんのことを思い浮かべ言った。
「そうなのか……。ま、これから短い間だがよろしくな」
「はい、さようなら」


先輩と別れ家に入り、さっきの話を思い出した。この生活=小嶋さんみたいになっているのに気付いた。―まだ会って1週間なのに………―
「7歳も離れてて相手にされるわけないか」
つぶやいてみて少し寂しくなった。


もう1週間になり僕が2人分の夕食をつくり、完成間近になると小嶋さんが部屋から来るのは習慣となった。時間を小嶋さんにわざわざ合わしてだ。今日は肉じゃがだ。
「今日おもしろいことがあったんだ」
小嶋さんに言われてため口で話すことにした。
「肉じゃが……なんだが私新妻みたいね」
小嶋さんは聞いてないみたいだ。しかし新妻なんて言葉を聞いただけで僕はじゃがいもをつかえた。
「大丈夫?希望君?」
罪悪感などまるでないように聞いてきた。
「はい………大丈夫です。小嶋さんは何もしてないでしょうが」
「しっつれー。お皿出したりお茶いれたりしたじゃなーい」
さすがに僕はそれ以上は責めなかった。ちなみに愛と呼び捨てでいいと言われたがさすがに恥ずかしくて小嶋さんにしておいた。名前を呼ぶだけで緊張していては身がもたない。
「で、おもしろい話ってなーに?」
―聞いてたのかよ―
「いや、ね、今日高校で新任教師の紹介があったんだけど、校医に小嶋愛って人がいたんだ。同姓同名だろ?まさか小嶋さんには校医なんかできないよなーって思って」
「ちょっと」
珍しく鋭い感じの声を出してきた。
「待ってなさい」
そう言い小嶋さんは部屋に戻った。しばらくして何かを持って帰ってきた。
「これ、見なさい」
小嶋さんが持っていたのは小さい紙で、顔写真と小さな文字が並んでいた。左上に名前があり、その下にはあけび高等学校校医と書いてあった。
―は?―
理解できないでいると
「いーい?あなたの健康な学校生活は私にかかってるのよ?」
いつもの調子に戻っていた。圧倒されている僕に満足げだ。
「よろしく………先生」


さらに1週間程たって、どの部活も本格的な練習に入っていった。運動部というのはケガが多いものだ。そうすると保健室を多く利用する。そこで予想通りの事態が起きた。
「保健室の先生がめっちゃ可愛い」という話が飛びかったのだ。そして保健室には人が殺到した。やれケガした、やれ気持ち悪いだの。どれもかすり傷だったり、授業のサボりだったりで本当のケガでは到底なかった。そんな僕も保健室のお世話になる羽目になった。まだ入って間もないのに米沢先輩についていこうとし無理がたたったのだ。1人で保健室までは行けたので―何人もの付き添い希望を振り切り―そんな重症ではないと思うがとにかく痛かったので行ってみた。


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