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想いのいきつく果て
【女性向け 官能小説】

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想いのいきつく果て〜Final〜-8

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しのの携帯から削除されていた『24』のデータ。私の携帯に履歴は残っていたものの、直接会って確かめた方がいいからとしのは『24』の家へと向かった。
その間私は近くの喫茶店で待つことにした。


『24』のドアの前で大きく息を吐き出す。
インターホンを鳴らす指が微かに震えた。

「ふっ、情けねぇ〜」

カチャリ

「もう〜〜遅かったやんか〜、はよ…入っ…て」

ゆっくりドアが開かれたと同時に、笑顔だった『24』の顔は驚愕の表情へと変わっていった。

「…し…の?…」

「久しぶりやな。誰かと間違えたんか?」

『24』の顔はみるみる青ざめていき、慌ててドアを閉めようとした。
咄嗟に足を挟み、それを阻止した。

「どしたん?何か都合悪いんか?」

じっと『24』を見据えた。

「……なん…で……」

「それはこっちが聞きたいくらいやわ。俺が来た理由わかるやろ」

「……………」

後ろで微かに人の気配がした。
『24』は大きく目を見開き俺の後ろへと視線をうつす。
振りかえると、30前後だろうか、スーツを着た男が怪訝そうな顔を浮かべこちらを見ている。

「こちらは?」

沈黙を破ったのはスーツの男、『24』は慌てふためいて視線を泳がせている。
俺は咄嗟に言葉を探した。

「昔の友人です。どうしても確認したいことがあって伺ったんです」

いかにも嘘臭いセリフだが強ち嘘じゃない。

「……そうですか、じゃあ私は遠慮しますからどうぞごゆっくり…」

そう言い、我が家のように『24』の家の中へ入っていった。
『24』は慌ててドアを閉めた。相変わらず視線が定まらない。

「彼氏出来たんや、それとも元々おったんか」

「しのだって彼女おったやろ!…あっ…」

『24』は気まずそうに顔を伏せた。

「ふっ…そんなんは別にええよ。けど、何の罪もないひろを傷つけたんは…」

「傷つけてなんか……」

ふと顔をあげると、しのの鋭い視線に言葉が出てこなかった。

「はっきり聞くで。正直にいいや。お前のお腹には俺の子がおるっちゅうのはほんまの事か?」

蛇に睨まれた蛙のように、微動だに出来ず震えながら俯いている。

「………黙っとったらわからんやろ?真実が知りたいだけや」

「…………」

「もう一度聞くで。最後やからな。お前、妊娠してるんか?」

『24』はうずくまり声を殺し泣きだした。


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