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想いのいきつく果て
【女性向け 官能小説】

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想いのいきつく果て〜Final〜-9

「…ご…ごめん……妊娠…してへん…うっ…」

そのまま泣き崩れる『24』を見下ろし、静かに安堵の息を吐いた。
信じてなかったとはいえ、万が一ということも考えていた。
全身から力が抜けていく。

「正直に言うてくれてありがとさん」

自然と言葉が出ていた。

「…え…?…」

『24』は信じられない面持ちで顔をあげた。まるでお化けでも見るような、そんな顔で。

「ふっ…変わったやろ、俺…」

大嫌いな女を前に笑顔で話せる自分に、自身驚いた。
そして未だ唖然としている『24』に向かって頭を下げた。

「お前には散々酷いことしてきた。本当に申し訳なかった。もう二度と会わへんと思うけど元気でな」

『24』は去っていくしのの背中を見つめた。
何も言えずただ涙を流し、頭を下げるのだった。

ーーーーーーー

「はぁ〜」

携帯を握りしめ、もう何度目かわからないため息を吐いた。


「姫、あんまりため息つくと幸せ逃げるで〜」

ふわりと後ろから抱き締められ耳たぶにキスを落とされた。

「しのくん!?びっくりさせないで、心臓止まるかと…」

 チュッ

身体ごと引き寄せられ不意打ちのキスが降ってきた。
みるみる赤面していくのがわかった。

「相変わらず可愛いやんな〜」

私の頬をさすり不敵の笑みを見せるしの。
そして伝票を掴み、私の腕を引き寄せ立ち上がらせた。

「しのくん?」

「後で話す」

会計を済ませたしのは無言のまま私の手を引っ張り歩いていく。
暫く歩くと小綺麗なマンションの前に着いた。

不意に振り返り建物を指差しニヤリと微笑んだ。

「ここ、おれんち」


部屋に入ると、これから聞くであろう話に身体が強張っていく。

「ひろ…おいで」

まだ結果を聞かされず戸惑う私に、しのは両手を広げた。私はゆっくりしのの胸に顔を埋めた。背中に回された逞しい腕からしのの想いが感じられた。

緊張をあらわにする私の手をしのが両手でしっかりと握り締めてくれた。


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