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憂と聖と過去と未来
【幼馴染 恋愛小説】

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憂と聖と過去と未来 4-2

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大学前の坂を他の受験者に混じって登りながら、ふと思う。

これだけ大勢の受験者の中で、想い人のため、誰かを追いかけるために受験したって人はどれくらいいるんだろう…

きっと、ごく少数の人間しかいない。

大げさに言うと、命をかけて受けた人だっているだろうし、これくらいのレベルでいいやって感じで受けた人だっていると思う。

皆、それぞれ考えがあってここに来た。

あたしは特殊なタイプだと思うけど、それでも聖が好きだから勉強頑張ったんだよ。

気持ちで他の人に負けるつもりなどない。

聖と一緒にいたい。

大学でも聖を見ていたい。


んん?あたしは最初、なにを考えてたんだっけ?

あたしの余計な考えで思考回路は、ますますパニックに陥っているようだった。


坂を登り終えると、そこは駅より大勢の学生でごった返していた。
なんだか、三年になったときのクラス発表を思い出す。

向こうには大きな掲示板があるが、まだ中は隠されている。
あと10分ほどで公開のはずだ。

辺りを見回すと、勿論知っている人もいないし、聖の姿もない。

ちょっとだけ暇だなぁ、なんて脳天気な気分になる。

しばらくまたいろいろなことを考えていた。
受かったらサークルはどうしようか、受かったらバイトでもやってみるか、なんてくだらない考え。


それでも10分という時間は容易に潰すことができた。


そして、掲示板に掛けられた幕が係員によって下ろされた。

一気にざわつく場内。

ここからだと数字までは見えない。
続いて後ろから押されだす。

満員電車ってこんな感じかな、なんてまたくだらないことを考えていると、すぐに歓声なんかが聞こえてくる。

だんだんと緊張感が復活し始めてきた。

心臓はバクバクという。

だんだん前に進めるようになり、なんとなく数字が見えてくる。


「神様っ…!聖…!」


そして、結果は………


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