投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

鎮魂
【SM 官能小説】

鎮魂の最初へ 鎮魂 1 鎮魂 3 鎮魂の最後へ

鎮魂(その1)-2

 その中央の光の窪みにその彫像はあった。


私はその大理石の像に魅せられたように、時間がたつのも忘れ眺め続けていた。
艶やかな光沢をもった獣の顔をした男の裸の彫像…体を横たえた男性的な肉体が生々しいほどの
官能を漂わせている。そして股間の白く長いペニスは、まるで生きた蛇が鎌首を持ち上げている
ように奇怪な形をしている。
 

強い光と影のコントラストが、その彫像を妖しく縁取っている。私はそのもたげたペニスに何か
陰部をじりじりと炙られていくような鋭い疼きを感じていた。


一瞬、私は何かが体の中を貫くような痺れを感じる。そして、そのペニスの先端の穴で、自分の
性器を嗅がれ、その亀頭で熱い舌のように肉襞をなぞられたい強い欲情に駆られる。
私の肉色の淫壺の底で、そのペニスから滴る精液と私の淫汁が溶け合うくらい捏ねられたい…そ
んな淫欲が私の体の中を横切っていく。



 その彫像に漂う死んだような静寂と恍惚とした淫猥な冷気…



でもそこには禁欲的な官能が漂う。その彫像の滑らかな胸部に抱かれたように、とぐろを巻いた
蛇が不気味に彫り込まれていた。
 
私はその彫像が醸し出す喉を締めつけられるような冷気に酩酊感を覚え、跪いてそのペニスに頬
を寄せる。その美しい彫像の幻想的な裸体に感じ入るかのように、私の虚ろな空洞が樹液で少し
ずつ満ち溢れる。果肉の実が熟れ、やがて私の肉襞が褐色になり、甘い樹液の匂いが漂ってくる。


 私はそのペニスからほとばしる精液を呑みたかった。


その欲情は、高窓から差し込む強い光と翳りの中で、しだいに原色の妄想となって私の脳裏を駆
けめぐる。その彫像の中には、明らかに秘められた淫猥な狂気があった。  


突然、あの人はその彫像から抜け出したように私の前に現れた…。そして白髪に覆われたあの顔
には、私をいつも見つめてくれた潤いを帯びた瞳があった。


 …あなたなの…


私は静かにあの人の細く老いた指に唇を寄せる。そしてあの人は、私をその白い大理石の床に押
し倒すように抱きとめる。その暗闇の中で、私は仄かに照らされながら、あの人の体液を陰部に
含ませ、膣襞に深く滲み入るようにあの人を受け入れる。


鎮魂の最初へ 鎮魂 1 鎮魂 3 鎮魂の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前